今回は発表された「26ヴァンキッシュCE」は従来の「23ヴァンキッシュ」をさらに追い込んだ形での進化となりました。
どの点がどのように変わったのか?にフォーカスを当てて見ていきます!

発売は2026年2月予定です!
ざっくりいえばこんな感じ
今回の「26ヴァンキッシュCE」の概要を言えば、こんな感じです!

ダイワのST(センシティブチューン)のようなカスタムですね
CEとは競技仕様のこと
まず気になるのはネーミング。
「CE」とは「COMPETITION EDITION=競技仕様」のこと。
先に述べたように「巻き感度」にこだわった一品となっています。
ラインナップは小型の1000~2500サイズです。
エリアトラウト、バス、ライトソルト(アジング、メバリング)、エギングなどで巻き感度にこだわりたいユーザーにおすすめのリールとなっています。
ボディ・ローターのデザイン
「26ヴァンキッシュCE」のボディやローターのデザインは「23ヴァンキッシュ」と変わっていません(下図)。

(画像)23ヴァンキッシュ 26ヴァンキッシュCE
カラーはリール全体がほぼブラックになりました。
競技仕様なので、派手さは要らん!という感じでしょうか。

ドライブギアやピニオンギア等の内部機構はすべて同じです!
主な変更点は2つ
「23ヴァンキッシュ」 → 「26ヴァンキッシュCE」での主な変更点は2つです。
- ボールベアリング1個をグリス仕様からオイル仕様に変更
- ハンドル軸部の防水シールを非搭載

画像:シマノ26ヴァンキッシュCEから

自重の変化はありませんでした。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
(1)ベアリング1個をオイル仕様に
グリス仕様だったベアリングの一部をオイル仕様にすることで、ベアリングの回転性能が上がりました。
パーツリストを見ると、ピニオンギア上部のボールベアリング1個が変更されていますから、これがグリス仕様からオイル仕様に変更されていることがわかります。

画像:シマノサポート26ヴァンキッシュCE
シマノHPでは「一部のベアリング」とされているので、複数のベアリングが変更になった可能性も含めた表現になっていますが、変更されたのはこの1個だけでその他のボールベアリングは23ヴァンキッシュと同じです。

ピニオンギア上部のボールベアリングは巻き心地を大きく左右するパーツであり、どんなランクのリールにも基本的には搭載されています。
(2)ハンドル軸部の防水シール除去

画像:シマノ26ヴァンキッシュCE
26ヴァンキッシュCEでは、ハンドル軸部の防水シールを非採用にし、ボディとハンドル軸の隙間を最小限になるように再設計されました。
ちなみに、ハンドルを取り付ける逆側の「ハンドルスクリューキャップ」もあわせて変更になっています。
この2つの変更により、巻き感度をアップさせることに成功しました。

気になるのは防水性能の低下ですが、シマノでは「実釣に影響しない範囲」としています。
シマノによると、回転トルク(巻きの軽さ)が23ヴァンキッシュと比べて低減されています。

図の文字が小さいですが、以下のような感じです。
- デッドスロー(3秒あたり1回転)では、25%巻きが軽くなる。
- スロー(1秒あたり1回転)では、30%巻きが軽くなる。
- 高速回転(ルアー回収時)では、40%巻きが軽くなる。
巻きが軽いというとこは、
- 巻き感度のアップ
- 初動と停止のレスポンスがアップ
ということです。
ルアーフィッシングで求められる巻き感度や操作のしやすさに磨きがかかったリールとなっています。
マイナーアップデート箇所
23ヴァンキッシュと比べて「26ヴァンキッシュCE」ではマイナーな変化として以下の項目に変化がありました。
- 「1000SSS」の追加
- 「1000SSSPG」がロングハンドル化

値上げ情報
メーカー価格は同一番手では平均4,471円(6.8%)アップです。
これらの2項目について具体的に見ていきましょう。
(1)新番手「1000SSS」の追加
23ヴァンキッシュには存在しなかった「1000SSS」という番手が追加されました。
「1000SSSPG」はひと巻き55cmのアジングのジグ単などで人気の番手ですが、「1000SSS」はそのノーマルギア版です。
ひと巻き64cmでエリアトラウトを想定した番手となっています。
1000SSSとC2000Sとの違いは、ローターとスプールのサイズの違いです(下表)。
| 品番 | ローター サイズ | スプール サイズ | 糸巻量 (ナイロン) | 自重 | 最大巻上長 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1000SSS | #1000(小) | 40mm/13.5mm | 2lb-100m | 140g | 64cm |
| C2000S | #1000 | 43mm/13.5mm | 4lb-100m | 145g | 69cm |
これによって、糸巻量、自重、最大巻上長が変わっています。

特に、ローターが軽量なことにより、低慣性さに磨きがかかっています。

「1000SSS」は巻き感度・レスポンスがより向上したスペシャルモデルなのです。
(2)1000SSSPGがロングハンドル化
「26ヴァンキッシュCE」では「1000SSSPG」のハンドルが5mm長くなりました(35mm→40mm)。
これにより、巻き上げ力が少しアップしました(5.7%)。
| 品番 | 23ヴァンキッシュ ハンドル長(トルク比) | 26ヴァンキッシュCE ハンドル長(トルク比) |
|---|---|---|
| 1000SSSPG | 35mm(40%) | 40mm(45.7%) |
巻き上げ力が上がるということは、リトリーブ感度が下がることを意味しますので、人によっては23ヴァンキッシュのほうが好みという人がいるかもしれません。

トルク比とは
トルク比が大きいほど、巻き上げ力がアップします。トルク比が小さいと巻き上げ速度がアップします。トルク比の計算の詳細については、コチラのページを参照ください。
従来機能
以下の機能は23ヴァンキッシュと同様に搭載されます。
| 機能名 | 効果 | 仕組み |
|---|---|---|
| HAGANEギア | ドライブギアの強度アップ | 超々ジェラルミン製の冷間鍛造ギア |
| マイクロモジュールギアⅡ | 滑らかな巻き心地 | 理想的な歯面設計 |
| Xシップ | 巻き上げ力アップ | ドライブギアの大径化、ピニオンギアとドライブギアの最適配置、ピニオンギアをボールベアリングで2点支持する |
| HAGANEボディ | 巻き心地が滑らか | 金属を使用したボディ |
| インフィニティループ | 飛距離とドラグ性能アップ | 摺動をスロー化することでラインを密に巻く |
| インフィニティクロス | ギアの耐久性が2倍 | ドライブギアとピニオンギアの設置面積の向上 |
| インフィニティドライブ | 巻き上げ力アップ | メインシャフトをスムーズに動作させる設計 |
| デュラクロス | ドラグワッシャーの耐磨耗性10倍 | 新素材のドラグワッシャー |
| サイレントドライブ | 巻き心地が滑らか | パーツ同士のクリアランスを減らす工夫 |
| マグナムライトローター | 巻き感度とレスポンスのアップ | 左右非対称ローター、軽量ラインローラー、チタン製ベール、ロータ肉厚の最適化 |
| アンチツイストフィン | ライントラブルの低減 | アームカム部に弾体性のフィンを設置 |
| Xプロテクト | 水が内部に侵入しにくくなる | ストッパーベアリング部やラインローラー部に撥水処理+ラビリンス構造 |
| Gフリーボティ | 竿とリールの一体感が向上 | 摺動ギア類を手元側に配置 |
| AR-Cスプール | ライントラブル抑制、飛距離向上 | 特殊なスプールリング形状 |
| ロングストロークスプール | 飛距離のアップ | 長いストロークのスプール |
| CI4+ | リールの小型・軽量化 | カーボン混合樹脂素材 |
| リジッドサポートドラグ | 安定した滑らかなドラグ | 2点をボールベアリングで支持するスプール |
| S A-RB | 錆びにくいボールベアリング | ベアリング側面が特殊防錆素材 |
| ワンピースベール | ライントラブルの低減 | 継ぎ目のないベール |
「HAGANEボディ」による剛性と「マグナムライトローター」によるレスポンスのよさがヴァンキッシュの特徴ということに変わりはありません。
よく比較される機種との比較
26ヴァンキッシュCEと22ステラ、23ヴァンキッシュ、24ヴァンフォードとの比較表です。

・汎用MGLシリーズの最上位であるヴァンキッシュですが、23年の無印版と今回のCEとでは機能的な違いはありません。ちなみに、無印版のC5000XGはハンドル材質がアルミニウムです。
・コアソリッドシリーズの最上位である「22ステラ」は様々な特殊仕様が搭載されます。フルメタルボディに加えボディ構造も異なる剛性重視のモデルです。それだけに自重は重いです。高速巻き、定速巻きなど巻きで誘う釣りに最適です。ボールベアリングはオシレートギアの下にもある全12個。
・MGLシリーズの中級機である「24ヴァンフォード」との違いは結構多いですね。24ヴァンフォードは金属ボディではなく、カーボン混合樹脂素材のCI4+製です。剛性がやや低くなっています。インフィニティループが非搭載で飛距離とドラグ性能が若干ですが落ちます。リジッドサポートドラグが非搭載で、その分ボールベアリングが2個少ないです。また、オシレートギアの上やローターナット部にもボールベアリングが非搭載なので、その分巻心地はヴァンキッシュ等より落ちます。
製品ラインナップ(26ヴァンキッシュCE)

すでに述べたように、ラインナップは「26ヴァンキッシュCE」は1000番~2500番となっています。
メーカーの「推し」は「1000SSS」と「C2500SXG」。
C3000以上のラインナップは引き続き23ヴァンキッシュなどから選ぶという選択になります。
「26ヴァンキッシュCE」のスペックの詳細
・表はスワイプ/キーボード(←/→)でスクロールできます。
・※は非公式データです。
| 品番 | スプール径 /ストローク | ローター サイズ ※ | ボディ サイズ ※ | ギア比 | ドラグ力 | 自重 | 糸巻量 ナイロン | 糸巻量 フロロ | 糸巻量 PE | 最大巻上長 (ハンドル1回転) | ハンドル長さ | トルク比 ※ | ハンドルノブ | ベアリング数 BB/ローラー |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1000SSS | 40mm /13.5mm | ♯1000小 | ♯1000 | 5.1 | 実用2kg 最大3kg | 140g | 2lb100m 3lb60m | 2lb80m 3lb55m | 0.3号120m 0.4号90m | 64cm | 40mm | 39.3% | 小型軽量I型 | 11/1 |
| 1000SSSPG | 40mm /13.5mm | ♯1000小 | ♯1000 | 4.4 | 実用2kg 最大3kg | 140g | 2lb100m 3lb60m | 2lb80m 3lb55m | 0.3号120m 0.4号90m | 55cm | 40mm | 45.7% | 小型軽量I型 | 11/1 |
| C2000S | 43mm /13.5mm | ♯1000 | ♯1000 | 5.1 | 実用2kg 最大3kg | 145g | 3lb125m 4lb100m 5lb75m | 3lb110m 4lb85m 5lb65m | 0.6号150m 0.8号110m 1号80m | 69cm | 40mm | 36.4% | 薄型軽量I型 | 11/1 |
| C2000SHG | 43mm /13.5mm | ♯1000 | ♯1000 | 6 | 実用2kg 最大3kg | 145g | 3lb125m 4lb100m 5lb75m | 3lb110m 4lb85m 5lb65m | 0.6号150m 0.8号110m 1号80m | 81cm | 45mm | 34.9% | 薄型軽量I型 | 11/1 |
| C2500S | 44mm /13.5mm | ♯1000 | ♯1000 | 5.1 | 実用2kg 最大3kg | 150g | 5lb110m 6lb95m 8lb70m | 4lb130m 5lb100m 6lb80m | 0.6号200m 0.8号150m 1号120m | 70cm | 45mm | 40.4% | 薄型軽量I型 | 11/1 |
| C2500SXG | 44mm /13.5mm | ♯1000 | ♯1000 | 6.3 | 実用2kg 最大3kg | 150g | 5lb110m 6lb95m 8lb70m | 4lb130m 5lb100m 6lb80m | 0.6号200m 0.8号150m 1号120m | 87cm | 45mm | 32.5% | 薄型軽量I型 | 11/1 |
| 2500S | 47mm /17mm | ♯2500 | ♯2500 | 5.1 | 実用2.5kg 最大4kg | 165g | 5lb110m 6lb95m 8lb70m | 4lb130m 5lb100m 6lb80m | 0.6号200m 0.8号150m 1号120m | 75cm | 50mm | 41.9% | 薄型軽量I型 | 11/1 |
| 2500SHG | 47mm /17mm | ♯2500 | ♯2500 | 5.8 | 実用2.5kg 最大4kg | 165g | 5lb110m 6lb95m 8lb70m | 4lb130m 5lb100m 6lb80m | 0.6号200m 0.8号150m 1号120m | 86cm | 55mm | 40.2% | 薄型軽量I型 | 11/1 |
・C25000SXGの巻き上げ力が低いのでリトリーブ感度がかなり高そうです。
人気番手ランキング(予想)
アマゾンのレビュー数をもとにした、番手ごとの人気ランキングです。
26ヴァンキッシュCEは発売前なので、23ヴァンキッシュの人気ランキングとなります。
| 順位(レビュー数) | 番手 |
|---|---|
| 1位(26) | C2000SHG |
| 2位(10) | 1000SSSPG |
| 3位(8) | C2500S |
| 4位(7) | 2500SHG |
| 5位(6) | C2500SXG |
| 5位(6) | 2500S |
| 7位(4) | C2000S |
ライトソルトやエリアトラウトで活躍する「C2000SHG」、ジグ単で活躍する「1000SSSPG」ときて、C2500S等の番手が続きます。
軽量さがウリの機種だけに、軽量なものが売れています。
個人的には、「1000SSS」が巻き感度としては最高峰になるのでどれくらい売れるのかが気になります。

現時点での個人的感想
「26ヴァンキッシュCE」はベアリングやハンドルをカスタムした「23ヴァンキッシュのカスタム版」です。ライトなカスタムに見えますが、巻きの軽さがかなり上がっているのは驚きです。個人的にはシマノが「巻き感度の極致」という「1000SSS」が気になりました。
