海外のシマノHPで「25ナスキーFD」が発表されました。
日本ではそのまま「26ナスキー」となって発売されることが予想されます。
今回は「25ナスキーFD」の内容を確認していきましょう。

情報ソース
・Youtube:25ナスキーFD商品紹介(シマノ)
・HP:25ナスキーFD商品ページ(英シマノ)

ボディ・ローターデザイン
「25ナスキーFD」のボディやローターのデザインは「21ナスキー」とあまり変わっていません(下図)。

(画像)25ナスキーFD:英国シマノ、21ナスキー:日本シマノ
ワンポイントカラーが「ダークオレンジ」系統になったのが目新しいところです。好みが分かれそうですが、ラインを巻いてしまえばあまり目立たないでしょう。
裏側を見ると……

(画像)25ナスキーFD:英国シマノ、21ナスキー:日本シマノ
①ベールの形状が変わっています!
②ラインローラーを支える「アームカム」のデザインが変わっています。
③「アームカムバネカバー」のデザインが変わっています。

「アームカムバネカバー」のネジの位置は21ナスキーも25ナスキーFDもほぼ同じなのでローターデザインはそのままでカバーだけの変更かもしれません。
①と②は新機能に関わっています。詳しく見ていきましょう!
新機能
21ナスキー→25ナスキーFDでの変更点をまとめると下表の通りです。

3つの新機能について簡単にまとめると下表の通りです。
機能名 | 効果 | 仕組み |
---|---|---|
インフィニティドライブ | 巻き上げ力アップ | メインシャフトをスムーズに動作させる仕様 |
ワンピースベール | ライントラブルの低減 | 糸の引っかかりを減らす継ぎ目のないベール形状 |
アンチツイストフイン | ライントラブルの低減 | アームカムに糸落ちを減らす弾力性のあるフィンを設置 |
いずれも世に出てしばらく経った機能なので、ザッと紹介をしていきます。
インフィニティドライブ

画像:シマノ 25ナスキーFD
インフィニティテクノロジーの一つ「インフィニティドライブ」が入門機の王道ナスキーにも搭載されるようになります。
インフィニティドライブとは、メインシャフトを滑らかに動かす仕様(メインシャフトを特殊低摩擦ブッシュで支持する&メインシャフトに特殊表面処理を施す)のことです。
これにより、高負荷時でも積極的に巻くことができます。

新サハラ・新セドナへの搭載予想
共通ボディを使うと思われる下位の新サハラや新セドナにもインフィニティドライブは搭載される可能性があります。
ワンピースベール

画像:シマノ 25ナスキーFD
「ワンピースベール」とは継ぎ目のないベールの形状のこと。これによって、特に細糸のPEラインを使うときにライントラブルが減ります。

継ぎ目があるので特に細糸のPEラインでは引っかかることがある。
画像:21ナスキー

新サハラ・新セドナへの搭載予想
ダイワの「23レガリス」の牙城をいかに崩すかがシマノの喫緊のテーマだと思います。ライバル価格帯になると思われる新サハラにもワンピースベールは搭載されるでしょう。それに対して、新セドナは差別化のために従来通りの2ピースベールでしょう。
アンチツイストフィン

画像:シマノ 25ナスキーFD
「アンチツイストフィン」とはラインローラーの下部のアームカム部に設置された弾性体のフィンです。
糸が弛んだ状態で巻き始められることを減らし、ライントラブルが減ります。

画像:シマノ23ストラディック

新サハラ・新セドナへの搭載予想
アンチツイストフィンも新サハラには搭載されるでしょう。新セドナには搭載されるかは微妙なところですが、新セドナがねじ込み式ハンドルになるなら差別化のためにアンチツイストフィンの搭載は見送られるでしょう。
まとめると、25ナスキーFDは21ナスキーと比べて「巻き上げ力がアップする」「ライントラブルが軽減する」という改良です。
従来機能
以下の各機能は21ナスキーに引続き搭載されます。
機能名 | 効果 | 仕組み |
---|---|---|
ハガネギア | ドライブギアの強度アップ | 超々ジェラルミン製の冷間鍛造ギア |
Xシップ | 巻き上げ力アップ | ピニオンギアの上下をボールベアリングで支持する等の構造 |
サイレントドライブ | 巻き心地が滑らか | パーツのクリアランスを減らすボディデザイン |
コアプロテクト | 水が内部に侵入しにくくなる | ピニオン部に撥水処理のカバーを搭載 |
Gフリーボティ | 竿とリールの一体感が向上 | 摺動ギア類を手元側に配置 |
「コアプロテクト」が入っていて入門機の中では防水性が高いのがナスキーの特徴であることは変わりません。

よく比較される機種との比較
22サハラ、23セドナとも簡単に比べてみましょう。

新搭載の「インフィニティドライブ」「ワンピースベール」「アンチツイストフィン」以外の主な違いは……
1)ナスキーは防水性能が高いです。
ナスキーには「コアプロテクト」と「防水ドラグノブ」が搭載されるので、下位のサハラとセドナと比べて防水性能が高い特徴があります。
2)ナスキーはボールベアリングが多いです。
ナスキーではピニオンギア下にボールベアリングが搭載される(Xシップ)ため、高負荷時の巻き心地がアップします。また、ハンドルノブにもボールベアリングが搭載されるため、巻き心地がより滑らかになります。

さらに、ナスキーC5000XGではカーボン製ドラグワッシャーが使用されます(後述)。
23セドナ、22サハラ、21ナスキーの違いについての詳細は以下の記事をご覧ください。
製品ラインナップ(25ナスキーFD)
「25ナスキーFD」の製品ラインナップです。

ラインナップは21ナスキーと変わっていません。

日本版の製品ラインナップはDHモデルがあるかも
21ナスキーの場合、日本版ではダブルハンドルモデル(C3000DH)が追加されています。日本版「26ナスキー」でも上記の25ナスキーFDのラインナップに加えてC3000DHが追加される可能性があります。
「25ナスキーFD」のスペックの詳細は下表の通りです。
・表はスワイプ/キーボード(←/→)でスクロールできます。
・(-は未掲載データ、※は非公式データです)
品番 | スプール径 /ストローク ※ | ローター サイズ ※ | ボディ サイズ ※ | ギア比 | ドラグ力 | 自重 | 糸巻量 ナイロン | 糸巻量 フロロ | 糸巻量 PE | 最大巻上長 (ハンドル1回転) | ハンドル長さ | トルク比 ※ | ハンドルノブ ※ | ベアリング数 BB/ローラー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
500 | 39.5mm /8mm | ♯500 | ♯500 | 5.6 | 最大3kg | 170g | 1号150m 1.5号90m 2号70m | 1号130m 1.5号85m 2号60m | 0.6号185m 0.8号140m 1号110m | 69cm | 40mm | 36.4% | パドル型 | 4/1 |
1000 | 42mm /12mm | ♯1000 | ♯1000 | – | 最大-kg | -g | 1.5号130m 2号100m 2.5号85m | 1.5号120m 2号85m 2.5号70m | 0.8号240m 1号190m | -cm | 45mm | – | パドル型 | 5/1 |
C2000S | 42mm /12mm | ♯1000 | ♯1000 | – | 最大-kg | -g | 3lb125m 4lb100m 5lb75m | 3lb110m 4lb85m 5lb65m | 0.6号150m 0.8号110m 1号80m | -cm | 45mm | – | パドル型 | 5/1 |
C2000SHG | 42mm /12mm | ♯1000 | ♯1000 | – | 最大-kg | -g | 3lb125m 4lb100m 5lb75m | 3lb110m 4lb85m 5lb65m | 0.6号150m 0.8号110m 1号80m | -cm | 45mm | – | パドル型 | 5/1 |
2500 | 46.5mm /14.5mm | ♯2500 | ♯2500 | 5 | 最大9kg | 235g | 2号170m 2.5号150m 3号120m | 2号140m 2.5号125m 3号100m | 1号320m 1.2号270m 1.5号220m | 73cm | 55mm | 47.3% | パドル型 | 5/1 |
2500HG | 46.5mm /14.5mm | ♯2500 | ♯2500 | 6.2 | 最大9kg | 235g | 2号170m 2.5号150m 3号120m | 2号140m 2.5号125m 3号100m | 1号320m 1.2号270m 1.5号220m | 91cm | 55mm | 38% | パドル型 | 5/1 |
2500SHG | 46.5mm /14.5mm | ♯2500 | ♯2500 | 6.2 | 最大4kg | 235g | 5lb110m 6lb95m 8lb70m | 4lb130m 5lb100m 6lb80m | 0.6号200m 0.8号150m 1号120m | 91cm | 55mm | 38% | パドル型 | 5/1 |
C3000 | 46.5mm /14.5mm | ♯2500 | ♯2500 | 5 | 最大9kg | 235g | 2.5号180m 3号150m 4号100m | 2.5号160m 3号130m 4号100m | 1号400m 1.5号270m 2号200m | 73cm | 55mm | 47.3% | T型 | 5/1 |
C3000HG | 46.5mm /14.5mm | ♯2500 | ♯2500 | 6.2 | 最大9kg | 235g | 2.5号180m 3号150m 4号100m | 2.5号160m 3号130m 4号100m | 1号400m 1.5号270m 2号200m | 91cm | 55mm | 38% | T型 | 5/1 |
4000 | 51mm /17mm | ♯4000 | ♯4000 | 4.7 | 最大11kg | 280g | 3.5号170m 4号150m 5号125m | 3号190m 4号145m 5号115m | 1号490m 1.5号320m 2号240m | 75cm | 57mm | 47.8% | T型 | 5/1 |
4000XG | 51mm /17mm | ♯4000 | ♯4000 | 6.2 | 最大11kg | 280g | 3.5号170m 4号150m 5号125m | 3号190m 4号145m 5号115m | 1号490m 1.5号320m 2号240m | 99cm | 57mm | 36.2% | T型 | 5/1 |
C5000XG | 54mm /17mm | ♯4000 | ♯4000 | 6.2 | 最大11kg | 300g | 4号190m 5号150m 6号125m | 4号170m 5号135m 6号115m | 1.5号400m 2号300m 3号200m | 105cm | 57mm | 34.1% | ラウンド型 | 5/1 |

人気番手4000XGとC5000XGの違い
25ナスキーFDの4000XGとC5000XGの違いは、下記の通りです。
違い | 4000XG | C5000XG |
---|---|---|
ドラグワッシャー | フェルト (滑り出し重視) | カーボン (耐久性重視) |
ハンドルノブ | T字 (感度重視) | ラウンド (パワー重視) |
スプール | 直径51ミリ(糸巻き量小、巻き上げ力アップ) | 直径54ミリ(糸巻き量大、巻き速度アップ) |
21ナスキーや22ミラベルでも上記の違いは当てはまります(日本のシマノのHPでは「C5000XGだけカーボン製ドラグワッシャー」という説明は省略されています)。ただし、22サハラや23セドナでは4000XGとC5000XGとでドラグワッシャーの違いはなく、いずれもフェルト製ドラグワッシャーです。
マイナーアップデート箇所
「25ナスキーFD」のスペックの詳細を見渡すと、各項目で21ナスキーと比べてほとんど変化はありませんでした。
ただし、マイナーな変化としては、以下の項目に変化がありました。
・「25ナスキーFD」は21ナスキーと比べて2500番以上の自重は5グラム軽量化しています。
・「25ナスキーFD」は21ナスキーと比べて4000番(4000、4000XG、C5000XG)のハンドルが2mm長くなりました(55mm→57mm)。これにより、巻き上げ力がアップしました(平均1.4%)。
品番 | 21ナスキー トルク比(ハンドル長) | 25ナスキーFD トルク比(ハンドル長) |
---|---|---|
4000 | 46.1%(55mm) | 47.8%(57mm) |
4000XG | 34.9%(55mm) | 36.2%(57mm) |
C5000XG | 32.9%(55mm) | 34.1%(57mm) |

トルク比とは
トルク比が大きいほど、巻き上げ力がアップします。トルク比が小さいと巻き上げ速度がアップします。トルク比の計算の詳細については、コチラのページを参照ください。

現時点での個人的感想
正直なところ、このナスキーは21ナスキーとあまり変わらないな~という印象を受けました。スピニングリールは技術的な成熟期に入っているのでしょう。今回のナスキーは決して悪いわけではなく、むしろとても良いのです。ただ、少し安い価格でダイワの「23レガリス」が手に入り、少し予算を増やせば「25アルテグラ」が控えているだけにそれらの2大コスパ機に目移りしてしまう人も多いでしょう。とはいえ、「分解メンテがラクな防水機」という意味で、入門機としてのナスキーの良さは依然としてあると感じました。皆さんはどう思いましたか?新しい情報が入り次第この記事は更新します。その頃にはこの感想は変わっているかもしれません(笑)。

