「24ツインパワー」よく比較される機種との比較
後半では、「24ツインパワー」をシマノの汎用スピニングリールで最高ランクの「22ステラ」から「23ストラディック」までの価格帯の機種と比較します。
なお、今回は前モデルの「20ツインパワー」も一覧に掲載しました。
リールの機能比較(材質以外)
まずは、材質以外のリールの「機能」を比較します。
前半で紹介したように、「24ツインパワー」には、「インフィニティクロス」、「インフィニティドライブ」、「インフィニティループ」、「アンチツイストフィン」、「デュラクロス」の5つの機能が搭載されました。
これにより、「24ツインパワー」の機能は上位の「22ステラ」「23ヴァンキッシュ」に追いつきました。
特にステラとの価格差を考えると、「24ツインパワー」はトップレベルの性能をかなりオトクに使える機種であることがわかります。
「24ツインパワー」が最上位機種「22ステラ」と明らかに違う点は、ボールベアリングとパーツの材質です。順番に見ていきましょう。
「24ツインパワー」のボールベアリングの搭載箇所
ボールベアリングが増えれば増えるほど性能アップが望めます。
どこにベアリングが追加されたのかもポイントです。
ベアリングの搭載箇所とおもな効果は、以下のようにステップアップします。
「24ツインパワー」以上の機種にはスプール内部に2個のボールベアリングを追加した「リジッドサポートドラグ」が搭載されています。これによりドラグがよりなめらかに出るようになります。
さらに、これらの機種にはラインローラーに特殊な「防水BB」が使用されていて、特に壊れやすいラインローラーのボールベアリングをケアしています。
こうしてみると、ツインパワー以上は上位機種として大きく差別化されているのがわかると思います。
ツインパワーより上位の機種は何が違う?
「21ツインパワーXD」には、ローターナット部、「23ヴァンキッシュ」にはウォームシャフトギア部に、「22ステラ」にはウォームシャフト部にそれぞれボールベアリングが1個追加されます。これらはすべて巻き心地のアップに貢献しています。具体的には、ローターナット部はローターの回転性能の向上、ウォームシャフトギア、ウォームシャフトはスプールの上下運動のなめらかさアップに寄与します。
「24ツインパワー」にマグナムライトローターは非搭載
「24ツインパワー」には「マグナムライトローター」が搭載されていません。
これにより、慣性でハンドルが回りやすいため、高速に糸を巻いたり、巻きの安定性を活かす釣りで活躍します。
「コアソリッドシリーズ」と「MGLシリーズ」
シマノの汎用スピニングリールには、従来の「コアソリッドシリーズ」と、軽量・低慣性がウリの「MGLシリーズ」(クイックレスポンスシリーズ)があります。
「MGLシリーズ」には「マグナムライトローター」が搭載されています。このローターは左右非対称の形状で軽いため、すぐに止まる=低慣性を目的としたものです。ルアーを繊細に操作する釣りでは、この巻き出しが軽く、ピタッと止まる低慣性なローターが活躍します。
マグナムライトローター(シマノ公式解説)
回転慣性を低減化しローター剛性を強化
シマノHP
左右非対称のローター構造を採用し、操作性と感度の向上を求めて、異次元の回転の軽さを実現したマグナムライトローター。さらにラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行い回転慣性の低減に成功した。
リールの材質比較
リールのパーツに使われる材質を見てみましょう。
材質の差よって強度・剛性・重量が変わります。
シマノのリールに使用される素材の強度や剛性(推測)
チタン> マグネシウム > アルミニウム > ステンレス > CI4+ > 高強度樹脂
(←ほど軽くて高強度、高剛性)
※金属の合金は種類が多く特性がまちまちなので、この限りではありません。リールの価格からの推測も入れています。
(参考:比強度の一覧表、参考:マグネシウムの基礎知識、「マグネシウム合金」という素材)
「24ツインパワー」のボディ材質は「アルミニウム」と「CI4+」
リールの剛性感を大きく左右するパーツはボディの材質です。
前半で見たように、「24ツインパワー」のボディの素材はリールフット側が「アルミニウム」で、ギアボックス側が「CI4+」というカーボン入りの強化プラスチック素材となっています。
すべて金属製ボディであるステラには剛性は劣りますが、それでも実用上十分な剛性を確保しつつ軽量化されています。
「24ツインパワー」のローター材質は金属!
ローターの頑丈さも大物対応には大事です。
ヤワなリールだと大物を掛けたときにラインローラを支える部分「アームカム」がたわんで巻き取りに影響がでます。
「24ツインパワー」は「22ステラ」と同じ金属製のローターとなっています(C2500S以下の番手には軽量さ重視でマグネシウム、それより大きな番手にはアルミニウムが採用されています)。
シマノの汎用スピニングリールでローター素材が金属なのはステラとツインパワーだけです。
それだけツインパワーは剛性重視のセッティングになっています。
ちなみに、下図はシマノ公式HPの情報ですが、4000番のツインパワーに1Kgの負荷をかけて、ラインローラーの支持パーツ「アームカム」がどれくらい変形したかを示してます。
金属製のローターのほうが変形に圧倒的に強いことがわかると思います。
1Kgの負荷
負荷1Kgは大物とやり取りする場合にたびたび起こります。ナイロンライン0.6号で1Kgの強さですからね。
「24ツインパワー」のベール材質は「チタン」製
「24ツインパワー」には「チタン」製のベールが採用されています。
「20ツインパワー」では「ステンレス」仕様でしたから、ステラなど上位機種と同等になりました。
「ステンレス」と「チタン」の違いは、「チタン」のほうが軽く作れる点です。
これにより、ルアーの操作時にスッと巻いてピタッと止めるようなローターとベールの低慣性さが求められる釣りに使いやすくなりました。
「24ツインパワー」のスプールリング材質はステラと同じ
「スプールリング」も傷が付きやすいので工夫が凝らされる箇所です。
「24ツインパワー」では、ステラと同等のステンレス製+SWバリアコートがあらたに採用され、「スプールリング」に傷がつきにくくなっています。
こうしてみると、「24ツインパワー」は「22ステラ」に次いで強度・剛性重視のセッティングになっていることがわかります。
「24ツインパワー」総まとめ
最後に、「ストラディック」、「ツインパワー」、「ステラ」は「コアソリッドシリーズ」の核としてよく比較されますからその関係性をまとめます(主要部のみ)。
23ストラディック
↓
ローター剛性UP+ドラグ性能UP+飛距離UP※+防水性能UP
↓
24ツインパワー
↓
ボディ剛性UP+巻き心地UP+様々な特別仕様
↓
22ステラ
「23ストラディック」は全リールの中でもトップレベルにコスパが高い機種ですが、「24ツインパワー」にアップグレードすることでさらにさまざまな機能が手に入ります。
頑丈なボディとローター、頑丈なスプールリング、なめらかなドラグ、巻心地の向上、飛距離アップ、防水性能アップなどなどです。
さらに上位の「22ステラ」にはさらにボディ剛性が高くなったり、巻き心地がアップしたり、様々な特別仕様がありますが、それだけの価格差(数万円)がありますから当然といえば当然なのかもしれません。
コスパよく上位の機能を使いたい人は「23ストラディック」、剛性重視で機能的な妥協をしたくない人は「24ツインパワー」、とにかく最高峰が欲しい人は「22ステラ」、といった具合でしょうか。
目的や予算に応じて検討してみてください。
ショッピングサイトで購入者のレビューを見てみるのもおすすめですよ。
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