デュエルの「魚に見えないピンクフロロ」。
「魚に見えない糸」という謳い文句で売れ行き好調ですが、釣果への影響は果たしてあるのでしょうか?
今回は、ショッピングサイトのレビューを集計してみることにしました。

私はブリ狙いの泳がせ釣りで試していますが、まだはっきりとした効果は実感できていません。
集計方法
「魚に見えないピンクフロロ」のAmazonレビューを読み、「釣果の変化」に関するレビューを次の3つのカテゴリに分類しました。
- 釣果アップ
- 釣果に変化なし
- 釣果低下

調査対象は、「ショックリーダー」「磯ハリス」「船ハリス」「船ハリス大物」「漁業者プロスペシャル」「万能ハリス」の6つのラインナップです。厳密な比較は難しいので「なんとなく」という感想も多く含まれています。
集計結果
集計した結果は次のとおりです。

「釣果の変化」について言及したレビューは合計187件ありました(2025年2月時点)。
そのうち、「釣果アップ」は100件、「釣果に変化なし」は74件、「釣果ダウン」は13件でした(図1)。
この結果を素直に受け取るなら「魚に見えないピンクフロロ」は釣果アップに一定の効果があってもおかしくはないということです。

ただし、レビューには購入者の「思い込み」も含まれます!
「魚に見えないピンクフロロ」が有効な魚種
「魚に見えないピンクフロロ」が有効だという人は、どの魚に対して効果を見出しているのでしょうか。
「釣果アップ」「釣果不変」「釣果ダウン」の各レビューを対象魚別にまとめました(下表)。
魚種等 | 釣果アップ | 釣果不変 | 釣果ダウン |
---|---|---|---|
マダイ (タイラバ、海上釣堀、カゴ釣り) | 12 | 4 | 1 |
イカ (アオリイカ、ヤリイカ、エギング、イカメタル、ティップラン、オモリグ) | 8 | 6 | 0 |
アジ (アジング、ビシアジ、サビキ) | 7 | 5 | 1 |
クロダイ (チニング、フカセ) | 7 | 2 | 0 |
青物 (ブリ系、ヒラマサ、サワラ、泳がせ、ノマセ、SLJ) | 5 | 4 | 2 |
トラウト (エリアトラウト、渓流、テンカラ) | 5 | 1 | 1 |
フラット (ヒラメ、マゴチ) | 4 | 0 | 0 |
メバル (メバリング) | 3 | 2 | 0 |
シーバス | 3 | 2 | 0 |
カワハギ | 2 | 0 | 0 |
タチウオ | 2 | 1 | 0 |
現状でこのピンクフロロの効果が特にありそうな魚種は、マダイ、クロダイ、トラウト※、フラット(ヒラメ、マゴチ)です。
これらの魚は、「釣果アップ」の報告数が「釣果不変」や「釣果ダウン」の報告数に対して比較的多かったです。

※淡水魚であるトラウトはピンク色の糸は比較的見えやすい可能性があります。
どの魚種でも、「釣果ダウン」の数が先行するレビューは見受けられませんでした。
どんな釣りにも試しに使ってみるには良さそうです。
「魚に見えないピンクフロロ」が有効な状況
「魚に見えないピンクフロロ」を有効に使うために、この糸が有効に使えるシーンについて分析していきます。
「釣果アップ」に分類されたレビューを分析すると、「食い渋り」「警戒心」「激戦区」「スレた魚」「大物」というキーワードが見受けられました。
このことから、ユーザーが「食い渋った状況や激戦区で警戒心の高いスレた大物」に対してピンクフロロの有効性を見出していると考えらえます。

逆に言えば、「活性が高い状況」や「警戒心の低い小物」に対しては、違いを見出しにくいということです。
「魚に見えないピンクフロロ」が逆効果になる状況
「魚に見えないピンクフロロ」を使って釣果が低下したレビューを分析してみるとこの糸の不得意な状況がわかります。
「釣果ダウン」のレビュー中には「濁り」や「深い水深」というキーワードが多く見られました。
これは、強い濁りがある状況や水深が深い場所での釣りでは、ピンクフロロが逆効果になる可能性があるということです。この糸は「光が届かない状況が苦手」なのかもしれません。
逆に、光があふれる「晴天で、水質がクリアで、浅場での釣り」ではその有効性が十分に発揮される可能性があります。

実際、「釣果アップ」のレビューを見ると「晴れ」「浅場」などのキーワードが見受けられます。
「魚に見えないピンクフロロ」は魚に見えると思う?
おまけで、「魚に見えないピンクフロロ」が魚に見えるかどうかに関してユーザーの感想を集計しました。

多くのユーザーは「魚に見えるかわからない」という感想を持っていました(図2)。
図1の結果と合わせると、「魚に見えるかどうかはわからないが、釣果はアップすることが多い糸」というのが多数派の意見といえます。

ちなみに、「魚に見える」と感じる人のレビューには、フグ(4件)、クロダイ(3件)、サワラ(2件)、タチウオ(2件)、ボラ、カマス、金魚、淡水魚などが登場しました。魚種を見るとわかるように「糸が切られる=見えた」と判断している人が多いです。
糸の性質
最後に、この糸の基本的な性質についてのレビューをまとめました。
糸の強さ(直線、結束)

糸の強さについては、「強い」と「弱い」とで同数でした。
「魚に見えないピンクフロロ」は平均的な糸の強さだと考えることができます。

気になるのは「結束部分から切れる」報告が多かった点です。
糸の硬さ

糸の硬さについては、「硬い」と評価した人が多かったです。

糸質がやや硬いために、結束時に締め込み不足になりやすいと思われます。
耐スレ性能

スレに対しては「弱い」と感じる人が多かったです。
糸を太くして対策している人も見られました。

ただし、レビュー全体からみれば、そこまで多くない報告件数でした。
糸よれ、糸グセ

スレに比べれは、多くのユーザーが糸よれや糸グセに否定的(NG)な意見を持っていました。
ただし、「普通に使える」と評価した人は54件あったことを付記しておきます。
まとめ
「魚に見えないピンクフロロ」の性能を十二分に発揮するために、次のようなシーンで使用されることを特におすすめします。
- マダイ、クロダイ、トラウト、フラット(ヒラメ・マゴチ)狙い
- 水質がクリア、晴れ、深すぎない水深での釣り
- スレている魚が対象
使用時の注意点としては次の通りです。
- 活性の高い魚には効果を感じにくい可能性あり
- 光の届きにくい濁った場所、深海での使用は逆効果の可能性あり
- 結束時の締め込みをしっかりとする
- 糸のスレが発生しやすい状況では糸をワンランク太くする
【補足】6つのラインナップの違い
補足として「魚に見えないピンクフロロ」の6つのラインナップの違いについて紹介します。

メーカの方に伺いましたが、糸質自体はすべて同じです。

ラインナップが多いですが実はシンプル!
「糸の太さ・長さ」と「ケース」が異なるだけです(下表)。
ラインナップ | 太さ | 長さ | ケース |
---|---|---|---|
万能ハリス(無印) | 1.5号~14号 | 50m | ジャストストッパー付きケース |
ショックリーダー | 0.5号~120号 | 30m~50m | ジャストストッパー付きケース |
磯ハリス | 0.8号~5号 | 50m | ジャストストッパー付きケース |
船ハリス | 2号~16号 | 100m | 大判スプール |
船ハリス大物 | 18号~120号 | 50m | 大判スプール |
漁業者プロスペシャル | 10号~120号 | 100m | カセ巻き |
ケースの違いに付いて補足します。「ショックリーダー」「磯ハリス」「万能ハリス」に付属する「ジャストストッパー付きケース」とは、便利な糸止め付きの小型のケースです。
現場で仕掛けを作るタイプの釣りに向いています。


かなり好評なケースです
これに対して、「船ハリス」や「船ハリス大物」には「大判スプール」(直径約15センチ)が付属します。大きいので持ち運びにはややかさばりますが、糸グセがつきにくい特長があります。
仕掛けを家で作るタイプの釣りに向いています。

※「万能ハリス」のケースは「ショックリーダー」「磯ハリス」より一回り大きい。

「船ハリス」のサイズを確認せずに間違って買う人が多いので注意!
「漁業者・プロスペシャル」はスプールもケースも付属しない「カセ巻き」でまさにプロ仕様となっています。
それぞれの用途に合わせて選んでください。

ちなみに、人気のラインナップ以下の通りです。
・1番人気:「ショックリーダー」
・2番人気:「船ハリス」
・3番人気:「磯ハリス」
「ジャストストッパー付きケース」が優秀なので、「ショックリーダー」「磯ハリス」「万能ハリス」を使い切ったら「船ハリス」をリフィルとして使うのもおすすめです(サイズが合えば)。


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