「釣りバリ」は、古来から現代に至るまでに幾多のバリエーションが作られてきました。
釣具屋でもずらりと並ぶハリ、ハリ、ハリ……。
そんな中から釣り場で使うハリをどのように選ぶのか、迷うことはありませんか?
釣りバリを変えるとあら不思議、釣果アップということも珍しくありません。
釣果を上げるための鉄則として「魚に近いものほど大事」といわれますが、「釣りバリ」は魚との唯一の接点であり、その重要さは釣り人のなかでも共通認識があるでしょう。
釣り道具の中で、最も大事なものの1つが「釣りバリ」なのです。
今回は、釣りバリに関する悩み別の釣りバリの選び方を解説します。
今回はエサ釣り用のハリの話がメインですが、ルアー用のシングルフックやトレブルフック等も考え方の基本は同じです。
お悩み別ハリの選び方
釣りバリは釣り人が魚を釣り上げるまでに3つの役割を果たします。
- 魚にハリごと食べてもらう
- 魚の口にハリが掛かる
- 魚の口からハリが外れない
この3つの役割を釣り人の悩みに言い換えると以下のとおりです。
- アタリを増やしたい
- フッキング率を上げたい
- バラシを減らしたい
こうした悩み別にハリの選び方を紹介します。
1 アタリを増やすハリ
「アタリを増やすハリ」には「違和感を減らすハリ」と「エサが外れにくいハリ」の2パターンがあります。
違和感を減らすハリ
魚にとってハリが違和感のないものでなければ口に入れてくれません。小さくて軽いものほど魚が吸い込みやすく、シルエットが小さいので違和感が少ないです。
アタリを増やすには小さくて軽いハリが有利なのです。また、活きエサを使う釣りでは細軸のハリのほうがエサへの負担は減るので有利です。


エサが外れにくいハリ
エサとの観点で言えば、少し事情が異なります。魚がかかるまでエサが外れにくいハリが良いです。
エサによってケアするポイントは異なります。カエシが大きかったり、長いイケ先だったり、軸にエサズレを防ぐ「ケン」がついていたり、フトコロの大きい大バリや太軸のハリだったりします
虫エサの場合は長軸でエサをたくさん付けられるハリがアタリを増やす場合があります。


「違和感を減らすハリ」と「エサの外れにくいハリ」は、逆のベクトルのハリですので、どちらを重視するかは釣り方や釣り物によって検討してみてください。
2 掛かりやすいハリ
アタリがあるのに、なかなかハリ掛かりしない場合はハリのサイズに原因が考えられます。魚の口にハリを掛けるには、魚の大きさに適合したサイズのハリが必要です。
大きなハリ
基本的に大きなハリは掛かりは良くなります。大きなハリはフトコロの幅が広いために、ハリが深く刺さる方向で引かれる「ハリ先が立つチャンス」が多いのです。ただし、ハリが大きいと違和感が増え、釣り物によってはアタリが減ることもある点は注意が必要です。


ハリ先角度が大きいハリ
「ハリ先角度」が大きいハリは初期掛かりに優れます。ハリ先角度とは、ハリの先端とハリの結び目を結ぶ線(A)とハリ先の向かう方向(B)のなす角度です。
ハリ先角度が大きいハリは以下の3つがあります。
- ハリ先が開き気味のハリ
- 短軸のハリ
- ヒネリのあるハリ
順番に説明します。
ハリ先が開き気味のハリ
ハリ先が軸側に向いているハリを「ネムリバリ」といいますが、その逆のハリ先が外側を向いたハリはハリ先角度が大きいハリです。ルアー界隈では「オープンゲイプ」のフックですね。


短軸のハリ
フトコロの形状が同じハリでも長軸より短軸のハリのほうがハリ先角度は大きくなります。


ヒネリのあるハリ
ヒネリが無いストレートよりヒネリがあるハリのほうが、ハリ先角度は大きくなります。


ヒネリがあると、ハリ先が軸方向から離れるために角度は大きくなる
ハリ掛かりについてチャートにまとめたのが下図です。


3 外れにくいハリ
バラシの原因はおもに以下の3つです。
- 口切れ、身切れ
- 浅掛かり
- ハリス切れ
口切れ、身切れしにくいハリ
1つ目のバレ方はハリが魚の口や身を切り裂いてしまう「口切れや身切れ」です。引きの強い魚を相手にする場合によくある事象だと思います。
これはハリの「キープ力不足」が原因です。
・小さなハリを使っていてバラシが多い人は大きなハリが有効です。魚の肉との接触面積が多ければ多いほど、バラシは抑えられます。小さいハリはフトコロ幅の幅が狭く、フトコロの深さが浅いので接触面積は少なくなります。


・細軸のハリを使っている場合にバラしが多ければ、太軸のものに変えてみてください。太軸のハリほど魚との接触面積が大きいので口切れ・身切れが起きにくいです。
・なお、曲がったり、折れたりする場合は軸の強度不足ですので太軸のハリを使います。角形のハリより丸型のハリのほうが耐久性は上がります。
・カエシが小さなハリまたはイケ先(カエシから先)が短いハリを使っていてバラシが多い人は、カエシの大きなハリやイケ先の長いハリの検討もしましょう。
・以上は「大きなハリ」にすることである程度解消できる要素です。
・ハリ先角度が小さいハリを使っていてバラシが多い場合は、ハリ先角度が大きいハリに変更してみてください。表面の肉を多く拾うことで身切れが解消されることがあります。


大きなフトコロ、太軸、カエシ大、長いイケ先、大きなハリ先角度
・アジなどの口の軟らかい魚の場合、ハリ先角度が小さいハリだと口元の軟らかい部分に掛かって口切れしてしまいます。その場合はハリ先角度の大きなハリを使うことで口の奥の硬い場所にフッキングすることができます。
・サビキ釣りではエダスが短いために衝撃が吸収されにくくアジの口を切り裂くことが多くなります。そんなときは軟らかい竿や柔軟な糸を使うことも有効です。
がまかつのハリには、特定の方向に軸の太さを変化させる「平打ち」や「腹打ち」という仕様があります。「平打ち」はハリの側面方向から軸を潰すことで、ハリの強度のアップをしたハリです。接触面積が小さくなるので、キープ力はダウンします。「腹打ち」はその逆でキープ力はアップしますが強度はダウンします。ヘラブナなどの練り餌用のハリです。両者のいいところどりの「部分平打ち」というものもあります。


浅掛かりしにくいハリ
もう一つのバレの原因は「浅く掛かっている」事によるバラシです。これはハリの「貫通力不足」が原因です。ハリが深く刺さっていないためにポロリと外れてしまうのです。引きの弱い魚相手にするときによくあると思います。


・太軸のハリを使っていてバラシが多いなら、細軸のハリを使います。ハリの軸が細く鋭いと貫通力がアップします。ただし、ハリの軸がたわむと貫通力が下がりますので、細すぎる軸も考えものです。
・浅くカエシまで掛かっていないためにバラシが発生している可能性があります。カエシが大きなハリやイケ先が長いハリを使っている人は、カエシが小さいまたはイケ先が短いハリに変えるとハリの奥まで刺さるのでバラシが減ることがあります。
・ハリ先角度が大きいハリを使っていてバラシが多い場合は「ハリ先角度」が小さいハリに替えてみてください。ハリ先角度の小さいハリのほうが力がダイレクトに伝わるので貫通力がアップします。ハリ先角度が大きいと、身を切り裂きながらハリが刺さるためにハリの穴が大きくなり、バレにつながります。
浅掛かりする場合は、ハリ先が鈍っている可能性もあります。ハリのこまめな交換も大事です。
ハリス切れしにくいハリ
上記の2つのケースとは方向性が違うバレとして、「ハリス切れ」があります。口の鋭い魚にハリスを切られたり、根ズレでハリを切られたりしてバレます。
・口の鋭い魚の場合は「長軸のハリ」を使って口の外にハリスを出す、「ハリ先角度」の小さなハリを使って口元にハリを掛ける、ジギングなどの場合はトレブルフックで口の周りに掛けるなどの方法があります。
・広範囲にわたってハリスにダメージを与える魚の場合、ハリだけの対策では不十分で、ワイヤーハリスを使う場合があります。
ハリ選びはバランスが大事です。ハリの「掛かりの良さ」と「貫通性能」は逆の性質をもつため、両方を満たすハリなかなか見つからないことがあります。決め方の一例を示します。
ハリの3要素「大きさ」「太さ」「ハリ先角度」のうち、「太さ」が一番決めやすいので、まず、ハリを曲がらない・折れない最低限の「太さ」にします。ハリの太さと大きさはたいてい連動しています。次に、掛かりどころが悪ければ「ハリの形」(ハリ先角度)を変えます。それでも掛かりが悪ければ、ハリの大きさを変えます。
以上、釣りバリのだいたいの考え方は理解できたと思います。
以下ではより詳しくハリについて知りたい方のために詳細を書きます。























































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