釣りが上達する方法

釣りのりくつ

釣りが上達する方法について書きます。私見です。

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情報を広く集める・・・釣り場でも!

情報は多ければ多いほどいいです。インターネットで広く情報を集めるのはもちろんのこと、釣り場でのコミュニケーションも大事です。

インターネットで集められる情報は、具体的でないことも多く、また、自分の釣り場にマッチしていない情報も多々あります。それを自分の釣り場でうまく使うためには、普段行く釣り場のほかの釣人の考え方がものすごく大事です。

なるべく多くの人と情報交換をするのは、時にストレスになりますが、上達のためにはなくてはならない要素だと思います。自分はコミュニケーションは苦手で積極的に他人に声をかけに行くタイプではないですが、上手な人を見かけたら声をかけて情報交換しています。

偶然ではない部分を見つける

集めた情報をどうすればじょうずに活用できるでしょうか。

釣果は運の要素とそうではない要素で構成されます。全てを運として片付けるのもおかしいですし、全てを腕前、場所、その他要素だと片付けるのもおかしいです。

すべきは、運(偶然)とそうでない要素の分離です。よく釣る人の何が違うのか観察すると、仕掛け、探るタナ、仕掛けの動かし方、エサの選定、エサの活かし方、針の刺し方……様々な要素が違ったりします。それぞれが些細な要素に見えたとしても、これらの要素が組み合わさって「釣れる」を構成しているのです。

では、その釣れる要素はどう見つければいいのでしょうか。それは、次のステップで見出すことができます。

  1. 釣れる人を観察して、「釣れる要素」の仮説を立てる
  2. 「釣れる要素」を公平に比較して検証する 

それぞれ解説します。

1)釣れる人を観察して、「釣れる要素」の仮説を立てる

よく釣れる人(他人)とそうでない人(自分)がいるとします。よく釣れる人の釣れる要素は何でしょうか。直接聞いてみてもいいですが、実際その人が教えてくれた要素が釣れる要素とは限りません。よく釣れる人に聞きに行っても「偶然釣れた」と言われて教えてもらえないこともあります。そんなときは、その人の仕掛けを見て、どの要素が自分と違うのか観察します。

たとえば、ある釣り場でエレベーター仕掛けをしていたときのこと、隣の釣り人がエレベーター仕掛けでたくさん釣れていました。自分も釣れなくはないのですが、必ずその人が釣った後に釣れる、という感じで後手後手になっていました。エレベーター仕掛け同士でそんなに差がつくのは不思議だと思い、よくよく観察すると、その人のほうがいつも遠くにオモリを着水させていて、自分はより手前に着水させています。仕掛けの位置が異なる要素だったのです。このポイントの場合、青物が沖側から岸に近寄ってくるというルート上になるらしく、より沖に投げたほうがファーストヒットを得やすいと仮説を立てました。

2)要素を公平に比較する 

この仮説が正しいのかどうか、検証します。自分と他人で比べてもいいですが、条件を合わせやすいのは自分で全てマネジメントするときでしょう。たとえば竿を2本用意してなるべく公平になるように比較するのです。それぞれ、同じ仕掛け、同じサイズの同じエサを付けます。沖に投げるエレベーターと手前に投げるエレベーター、これを比較しました。結果、沖のほうがよくアタリを得られ、先程の仮説があたっているらしいことがわかってきました。これは投入する距離だけを変えた例です。

仕掛けを検証したい場合は、仕掛けの検証したい部分(例えばウキ下)だけ異なるようにして、投入位置はなるべく同じ距離にします。アタリや釣果が得られるたびに左右を交互に入れ替えます。すると、要素に差があるのか、無いのか、数をこなすことで浮き上がってきます。針やハリス、など仕掛けの要素は一度発見してしまえばずっと適用可能ですが、タナ(魚の泳層)のようにある程度期間の短い要素もあることに注意してください。また、仕掛けを同時出しできないルアー釣りなどの場合は、同時条件になりませんので回数を重ねて比較することになります。難しい!

こうした比較はうまくいかないことのほうが多いです。たとえば、より細いハリスのほうが釣れると思って比較しましたが、太いハリスと大して差がなかったり、数えればキリがありません。人間の感覚が魚に当てはまることもあれば、当てはまらないことも多いのです。

成功はたくさんの失敗をもとにつくられているーーといえば、最近読んだ『失敗の科学』にも似たような話があって驚きました。失敗をたくさんするのが、成功への最短距離だという積極的失敗のススメとなっています。具体例もたくさんで引き込まれます。

大雑把な比較をすると効率がいい

一つ一つの要素を細かく比較すると日が暮れる、そんなときは大雑把な比較をまずして、その後細かく絞り込むようにすると効率がいいです。たとえば、セットA(要素1+要素2) VS セットB(要素1’+要素2’) という対決をして、セットAとセットBの差があるのか検討します。差がなければ、要素1と要素1’や要素2と要素2’の差は無いのではないかと見当がつきます(各要素が影響しあう場合もあるので確定ではありませんが)。差があるようであれば、要素1や要素2だけを異なる要素として比較すればよいのです。

道具を買うときも同じです。竿の長さで悩んでいるときは、かなり短い竿とかなり長い竿を比べてみて、どっちが良いのか検討するほうが、少しずつ長さを変更するより結果的に早く目的の長さにたどり着けるでしょう。少し変えたくらいでは、違いに気づきにくいからです。リール、針、ハリス、道糸、オモリ……大胆に変えてみて大雑把に絞り込みを行うと、方針が立てやすいのです。いまは道具を中古で手放すことも容易で、不要になった道具の処分や費用の回収もしやすくなりました。偏見やジャンルに囚われずどんどん比べて楽しんでください。

質より量だ

失敗の科学』に載っていた話です。

次に、陶芸教室で行われた実験です。研究者は陶芸教室に通い始めた生徒を2グループに分けました。Aグループは最終的なアウトプット作品を「質」判断すると告げ、Bグループは「量」で評価すると告げました。一見、制作のたびに熟考し最良のものアウトプットするAグループ(質グループ)が最も良い作品を作れると考えやすいですが、実際に最も質の高い作品を制作することができたのは、グループBの量グループであったそうです。

失敗の科学

質を求めるためにはつい質をいかに上げるかを考えがちですが、量を追求したほうが質が上がったのです。釣りの場合、たくさん釣れる場所や魚で検証したほうが、より上達できます。成功体験や失敗体験をたくさんできるからです。釣りが上手い人は最初から上手かったわけではなく、たくさん釣れる場所・魚でたくさん失敗しその腕を磨いた人なのです。

見えない部分に注目する

「こうしたら成功した」という成功例ばかり目がいきがちですが、「こうしたら失敗した」ということを記録していくとより上達の速度は上がります。これまた『失敗の科学』に面白い例が出ていました。第二次世界大戦中、アメリカ軍の爆撃機がドイツの地対空機銃掃射に落とされていました。アメリカ軍では、戻ってきた爆撃機の撃たれた箇所をもとに補強を考えます。どこを補強すればよいでしょうか。

1)よく撃たれた箇所

2)撃たれていない箇所

軍の答えは1)でしたが、天才科学者ウォールドの答えは2)でした。なぜでしょうか。墜落せず戻ってきた爆撃機の「撃たれた場所」を補強しても効率がよくありません。そこを撃たれても持ちこたえることができたのですから。「撃たれていない場所」こそ、致命傷となり得る箇所、補強するべき場所と彼は考えたのです。戻ってきた爆撃機の損傷具合から戻ってこなかった爆撃機の損傷を見事に推理したのです。

データには見える部分と見えない部分があります。釣りの場合、釣果投稿サイトには「釣れた場合」しか投稿されません(できません)。でも実は「ボウズ」や投稿を控えてしまう「貧果」といった見えない部分も実は大事なヒントなのです。自分で釣果データを記録するとき、「釣れた場合」に加えて、「釣れなかった場合」を意識すると、より釣れるに近づくということになるのです。釣れなかった仕掛け、ルアーはどの条件で釣れなかったのでしょうか。

具体的には?

魚はエサ、水温や流れに支配されて生きています。特に産卵期以外は。その各要素を魚に適合した形で意識すると、より釣果をアップさせることに役立ちます。

特に「流れ」については意識しにくい割には大事なようです。

私は特別に釣りがうまいわけではありませんが(下手なほうですが)、釣りについて突き詰めていった人の話を聞いたり自分の実体験を適合させていくと、「流れ」の要素をどれくらい釣りに反映させて考えているかでうまい人との差ができている気がします。フカセ釣り、カゴ釣り、サビキ釣りは撒きエサと仕掛けの同調が大事ですし、ルアー釣りの場合流れの方向や流れの強さの差を意識します。一見関係なさそうな普通のエサ釣りですら(泳がせ釣りですら)、流れの方向によって釣れる・釣れないの差が大きく出たりします。これは流れによって魚がいる場所・タナが大きく変わるためです。池の鯉と比べて用水路の鯉はある一定の場所に固まっていたりします。流れによって心地よい居場所が限定されてしまうのです。

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