見えない釣り糸は効果がある?釣り糸論争を整理しよう

釣りのりくつ

釣り糸が見えないことと釣果との関係はどれくらいあるのでしょうか?

釣り人の間で多く論争になってきた、糸が見える/見えないに関する情報をQ&A形式で整理します。

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Q.釣り糸が見えないと、魚への違和感を減らすことができるので釣果もアップする?

A.わかりません。検証が待たれます!ここに3つの立場の意見を紹介します。

(見えない糸反対派)
魚は視力がよく、どんな色、太さでも糸は見えています。また、側線が発達しているために、視覚が生かせない夜間でも糸を感知することも可能です。したがって、「見えない糸」は存在しないし、効果もありません。さらには、魚は視覚より触覚で危機感を感じやすいという説があります。「見えない釣り糸」があったとして、魚が糸に気づかずにエサを食べたら、その瞬間に違和感を感じることになります。びっくりしてエサを吐き出す可能性もあります。

(魚による派)
ハリスの色を変えて釣果に違いがあるのかについては、いくつかの事例があります。マグロ延縄漁でハリスに相当する「セキヤマ」の色を替えることで釣果がアップした事例があります。はたまた、ハマフエフキやオキエソ漁でナイロン糸と撚り糸で釣果に違いがなかった例があります。(※資料1、 p173)魚は魚種に応じて様々な色覚をもっていますから、有効・無効は魚による可能性があります。

(見えない糸賛成派)
「細糸にしたら釣れた」事例や「糸の存在感を消すことで釣果アップした」事例はたくさんあります。たとえば、スレた鯉でも底を這う仕掛けにすると口を使うことがあります。糸が川底に同化したために、警戒感が薄れたためと思われます。ハリスとは違いますが、資料2では、メジナをケーブルつきカメラで撮影するときに、ケーブルを地面を這わせることで一度逃げたメジナの群れが逃げずに撮影できたという例が挙げられています。これらは、コントラストを重視する魚の色覚、そして側線での物体検知という能力によって、環境物と一体化させることが魚の警戒心を解きやすい事例だと思われます。

底糸は魚の警戒感を和らげる

糸の色からもハリスの存在感を消すことが有効ではないでしょうか。

興味深いのは、「デュエルの魚に見えないピンクフロロ」は太糸の縦糸で違和感を持たれていない点です。そういう意味では画期的な釣果をもたらす糸になる可能性を秘めています。

よだん
よだん

現状、個人的には「ケースバイケース」だと思っています。ハリスが目立つから釣果アップしたという事例がある以上は、見えない=釣れるということは否定されるケースがあるということです。

スレた魚を相手にする場合、エサの違和感をなくすことが釣果アップさせることにつながります。実際、ルアー釣りやフカセ釣りでは、「細糸にしたら釣れた」という事例が多くあります。これには、糸が見えていても側線で感知できる存在感を消すことが大事だったり、糸がエサに与える違和感が細糸で少なくなったという要因が考えられます。

対して、活き餌を使うノマセ釣りで細い糸を使ってもたいして釣果は変わらないです。つまり、エサが十分に自然であれば、糸の不自然さはさほど関係ないとも考えられます。

資料1:魚の行動習性を利用する 釣り入門 科学が明かした「水面下の生態」のすべて(川村軍蔵、ブルーバックス)

資料2:釣りエサのひみつ(長岡寛、つり人社)

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