堤防の泳がせ釣りで、どの仕掛けを選択すればいいのかわからない!
今回はそんな方のための基本の仕掛け5種の使い分けを紹介します。
主要な仕掛けを把握しよう
飲ませ釣りの仕掛けは、大きく分けて5種類あります。エレベーター仕掛け、胴突き仕掛け、投げ仕掛け、ウキ仕掛け、フリー仕掛けです。
重要なのは、こうした仕掛けが得意とする水深や距離等の特性を理解することです。エサとオモリを同時に投げる胴突き仕掛け・投げ仕掛けは、近距離~中距離の底を探るときに用います。ウキを用いるウキ仕掛けは、表層から底層までの任意の水深を探る仕掛けで、中距離を探るのが得意です。オモリだけ遠投してエサを後で付けるエレベーター仕掛けは、中距離~遠距離を探るのが得意な仕掛けで、表層から底層までをエサの魚にまかせて泳いでもらいます。針にエサだけつけて投げるのをフリー仕掛けといい、これもエサの泳ぐままですので釣れた水深はわかりません。距離は、糸が出た長さで推測可能です。
仕掛けの分類 | 水深設定 | 得意距離 | 混雑耐性 (流れ耐性) |
---|---|---|---|
ウキ | 表層~底層まで指定 | 近ー中 | △ |
フリー | 表層寄りの全層 | 近ー遠 | ✕ |
エレベーター | 底層寄りの全層 | 近ー遠 | ◯ |
胴突き・投げ | 底層 | 近ー中 | ◎ |
釣れた人の仕掛けを真似することはもちろん、釣れた人がどの水深、距離を釣っているのかも聞いたり推測して真似しましょう。
ただ、大体の釣り場では、その釣り場の支配的な釣り仕掛けがあるはずですのでそれに合わせるのがい一番だったりします。ここの釣り場ではウキ釣りの人がほとんどだけど、あの釣り場ではエレベーター仕掛けがほとんど、と言った具合です。
ウキ釣り大好き人間の私も、エレベーター仕掛けが支配的な釣り場で苦戦し、エレベーター仕掛けの威力を身をもって知ったことがあります。そのエレベーター仕掛けに自信をもったら別の場所でウキ釣りにやられる、と言ったが具合に万能で最強な仕掛けなど存在しません。
同じ釣り場でも時間によって仕掛けを変えるなど、その場所、その魚にどう合わせるのかがよく釣るための考え方です。具体的にはエサの水深と距離、仕掛けを釣れている人と一致させることが釣果への近道ですが、他に釣り人がいないときの指針として、今回は岸からの泳がせ・飲ませ釣りの仕掛けの使い分けを紹介します。
なお、仕掛けは主にブリ(80cm~)狙いの強めのセッティングになっていますので、釣り場で釣れている魚のサイズに合わせてセッティングしてください。
戦略の「ウキ仕掛け」
ウキ仕掛けは、表層~底層まで狙いの水深を指定して狙えるのが最大のメリットです。意識的に表層から底層までその日の魚の食う水深を戦略的に探っていくことができます。
アタリはウキがズボッと勢いよく沈みこんでいくのが特徴で、ファンも多い釣り方です。前アタリは浮きがぴょこぴょこ沈んだりしますので、本アタリの予兆を把握しやすく、ウキの動きや流れ具合でエサの生死が判別できたりします。
ウキ釣りは流れや活餌の動きで仕掛けが移動する釣り方です。混雑した釣り場では仕掛けの管理を怠らないようにしましょう。エサがある程度確保できたときの人が少なめの釣り場で流れがゆるい場合の1stチョイスとしていいでしょう。
ちょっとしたコツ
1)ウキ下は事前に水温等がわかっており、狙いタナがある場合はそこをまず狙います。アタリがなければ定期的に変更します。一例として朝夕なら2ヒロからスタートして、4ヒロ、6ヒロといった具合に2ヒロずつ深くしていきます。昼間の釣りならタナも深くなりがちですので底付近から上げていくのもありです。
2)オモリはウキの浮力マイナス1号~2号程度がいいです(小アジをエサに使う場合)。あまり浮力を残しすぎても食い込みを妨げますし、吐かれる原因になります。エサの体力を奪います。そのあたりを勘案して浮かず沈まずの渋々のセッティングをする人もいます。ただし、ウキは他の釣り人に仕掛けの位置を知らせる役割もありますので、その必要がある場合は浮力強め、ウキ大きめを選択します。
3)ウキ釣りの飛距離は、タックルセッティングによりますが岸から最大20メートル程度。活餌をルアーのように勢いよく投げると身切れしてエサだけ飛んでいきます。やさしくふんわりと投げてください。ウキは何でも良いですが、中通し式にすると絡みにくくて投入時の仕掛け絡みが減ります。また、ウキを重い木製等のものにすれば多少飛距離は伸びます。どうしても遠くに飛ばしたい人は一発カゴというアジを入れて遠投できるカゴも販売されています。
4)沖に払い出す流れがある・エサが沖まで泳ぐなどといった条件があればチャンス!遠方を探ることが可能です。その場合、ウキやオモリを軽めのものにするのがコツです。逆に混雑した釣り場である程度流されたくない場合は、大きめのウキに重めのオモリにします。オモリを着脱式のものにすると、オモリを重くしたり軽くしたり、時にははずして表層を攻めるということもできます。
5)仕掛け投入後は放置せず時々糸を張ったり、糸を巻いたりしてエサが暴れるように仕向けてください。そのタイミングで食ってくることも多いです。
6)クッションゴムを使うことで、5号程度の細めのハリスでも大物の引きを吸収することができます。ちなみに、長い磯竿を使うことや磯竿の号数をハリスに適合させることも細めのハリスを使うことを可能にします。要は、バネのように青物の強烈な引きを吸収してくれるのです。道糸を伸びの少ないPEラインにしている人はダイレクトな衝撃を緩和するためにクッションゴムの使用を検討してもいいかも知れません。道糸をナイロンラインにしている人は糸自体が伸びますのでクッションゴムはそこまで必要ないでしょう。
7)道糸をPEラインにすると、糸が軽くなるのでエサに遠くまで泳いでもらいたい場合に有利です。混雑した釣り場ではPEだと隣の人とオマツリしたときに厄介になりますので、ナイロンを推奨します。
8)何度もエサ投げ直すと、エサが弱ります。エサが弱ると極端に食いが落ちますのでなるべく新鮮なエサに交換してください。エサが少ない場合や流れが強くすぐに投げ直しが必要なときは、この釣りは向いていません。投げ直しが少なくエサへの負担もそこまで高くないエレベーター仕掛け等への変更を検討してください。
9)アタリを待つときはドラグを緩めにするか、手持ちならベールフリーで待つのがいいです。アタリはウキが海中に消え、糸がどんどん出ますのでベールをフリーにして頃合いを見計らってスプールを押さえてアワセを入れます。
アタリからアワセまでの時間は仕掛けやエサや魚の大きさ等にもよりますが、大体20秒~30秒でいいです。勢いよく糸が出るように注力し、勢いよく泳がせて口の中にエサを飲み込ませるのです。その間に違和感を感じてエサを吐かれないためになるべく糸に力が加わらないようにします。待ち過ぎも吐かれてしまうのでよくありません。アワセが決まったらドラグを適度に締めてファイト開始。竿の仰角45度で糸が出るのが理想のドラグの強さです。
10)釣れていないようであれば、他人より沖をエサが流れるよう工夫します。エサを発見されやすくするのです。たとえば、軽いオモリやウキを使い、より泳ぐような工夫をします。遊泳力のあるサバなどのエサを使ったり、針を背掛けにすると深く潜り、針を尻尾寄りに掛けると水平に泳いでくれる傾向がありますのでそうした性質を利用したりするのも手です。
優秀な「エレベーター仕掛け」
「エレベーター仕掛け」は、オモリを先に投げた後、エサを付けた仕掛けをロープウェー状に張った道糸に取り付け、沖に送り込む仕組みになっています。エサが自由に上下移動できるのでエレベーターという名前が付けられています。
オモリだけ先に投げるので遠投可能ですし、エサはオモリと竿の間に移動が制限されますので、混雑した釣り場でも使うことができます。投入時や投入後もエサに負荷がかかりにくいのでエサが弱りにくくエサが少ないときにも便利です。どの程度沖まで泳ぐかはある程度エサ次第です。ただ、沈ませるようコントロールすることは可能です。他の釣り方よりコツが必要ない、自動的に釣れてしまう優秀な仕掛けです。初めての人や隣が近い場合の1stチョイスとしておすすめです。
ちょっとしたコツ
1)エサを沖に送りたいときは、オモリを投げ込んだ直後に糸を張ると塩梅いいです。即座に糸を張れば、空中に道糸を張ることができ、そこを仕掛けがするすると移動できるからです。長い竿に短めのハリスを使うことでその効果は増します。ダメなのは、オモリ投入直後、糸ふけを作ってしまうことです。糸は海中に沈み、空中をエサが移動する時間が短くなってしまうので沖まで届かせにくいのです。
2)糸を張った後は、竿を高くかかげてエサを沖に滑らせます。そのとき、滑りが良くないようであれば竿尻をトントンと叩くというワザも有効です。高低差を作って沖方向に進みやすいようお膳立てをしたうえで、振動でエサがそちらに行くように仕向けるのです。
3)沈めオモリをハリスのスナップに取り付ける方法も沖にエサを送りたい場合に有効です。オモリは1号~3号程度のナス型で構いません。遠投した場合にオモリが重すぎると道糸がたるむために逆効果になることがあるので注意してください。エサの泳力を見極めて、小アジなら1号、小サバなら3号という具合にすると、ゆっくり沈んでいくので全層を探ることができます。表層~中層を狙いたい場合はオモリをはずすか、軽いオモリを使うようにしましょう。または、ウキ止め糸やシモリ玉を工夫するといいのですが、それはまた別ページで。サバなら泳ぎ回って絡むリスクが増えるので、沈めオモリは使わないというのも手です。
4)竿をなるべく立てて道糸はかなり張り気味でアタリを待ちます。磯竿なら竿先が軽くお辞儀するのが目安です。魚の動きで竿先がたまに動くのが理想です。ある程度角度をつけて道糸を張らないとエサが沖に泳ぎません。また、糸を張ることでハリスと道糸との絡みも低減できます。道糸を張ると普通の仕掛けではターゲットが違和感を持ってエサを離すのですが、この仕掛けの場合は違います。道糸をどんなに張っても、ハリス部分は遊動式ですから。魚に強いテンションが掛かるのは仕掛けが止めのサルカン部分に到達したときで、その間にエサを飲み込んでいることが多いのです。釣れないときは道糸の張りがゆるいことを疑ってください。
5)仕掛け投入後、放置せず定期的に竿を持ち上げながらリールを5巻きくらいしてください。手前に少し引き、エサに刺激を与えるのです。エサが突然動くことに青物が反応して食ってくることもときどきあります。
6)フカセ系の釣りではロングハリスの有効性が言われますが、エレベーター仕掛けの場合、50センチ~1メートルまでの短めのハリスがロングハリスに勝ることがあります。まず、短いハリスでも意外と食いを落としませんし、エサが違和感を覚えて暴れやすいのか食いを誘うことがあります。また、後述しますが糸絡みも減ります。連発するときは短めのハリス、そうでないときはロングハリスがセオリーです。
7)エサが泳ぎ回るので仕掛けが絡んでしまうこともあります。そうすると釣れないのでなるべく絡みにくくするのも大事です。道糸を張り気味にすること、ハリスを短めにすること、ノットの端糸を短くしたりゴム管等でカバーすること、絡み防止パイプの活用などです。沈めオモリをつける場合は絡みにくくなっているか特に気を付けてください。仕掛けをシンプルに引っ掛かる場所を極力なくします。エレベーター仕掛けの道糸は垂直より水平に近い角度のほうが絡みにくいので、その点からも遠投したほうがいいです。
8)青物の急激な引きに耐えるために力がかかっても大丈夫な仕掛けにすることも大事です。よくあるスナップにシモリ玉やビーズが当たるセッティングだとギロチン式に道糸に負担がかかるので、玉なしでスナップがサルカンで止まるようなセッティングにするか、サルカン上にゴム管等を入れるほうが安心です。
9)エレベーター仕掛けは基本ちょい投げ~遠投して使います。足元~近距離のエレベーター仕掛けは絡みが増えます。その距離なら絡みにくいブッコミ仕様の仕掛けのほうがいいです。エレベータ仕掛けを遠投することで道糸の角度が浅くなり、広く浅場から深場までをゆっくり探ることができます。
10)オモリの重さは手持ちのタックルで気持ちよく遠投できる重さでなおかつ糸をしっかり張れる重さ・形状を選んでください。重すぎても軽すぎても遠投できません。竿4号5.3メートルの遠投磯竿なら25号前後、5号5.3メートルの遠投磯竿なら30号前後だといい感じだと思います。遠投磯竿のオモリ負荷を超えますので自己責任で試してくださいね。
関西に住む私の近所ではシーズンになると30号と25号のスパイクオモリ、30号の六角オモリが売り切れるほど人気です。オモリの形はあまり気にする必要がありませんが、スパイク型だと引っかかりやすく糸を張りやすいのでおすすめです。ただし、根掛かりの多い場所には向きません。かなり根掛かりの多い場所は細長いホゴタイプのオモリにするのもアリです。六角型だとその中間です。飛距離UPも期待できます。軽すぎるオモリだと道糸を張りにくくなるので注意してください。道糸が太いほど風や潮流の影響を受けやすく重めの引っ掛かりやすいオモリが必要となります。ただし、重すぎて引っ掛かりやすいオモリだと、根掛かりが多くなり魚を逃がす原因になったりしますので、重くて引っかかればいいというものでもありません。自分のタックルと釣り場にあったオモリを見つけてください。初めての釣り場では数種類のオモリを持っていくといいです。
11)近距離を攻める場合は、道糸の材質はどれでもいいですが、遠投したい場合は、道糸はPEラインよりナイロンがいいです。ナイロンよりPEのほうが飛距離はでますが、PEは撚り糸のため糸の表面がすべりにくく、やわらかいために仕掛けが送り込みにくいです。また、PEですと糸絡みも発生しやすいため、エレベーターには不向きです。ナイロンと同じモノフィラメントのフロロカーボンラインを好む人もいますが、ナイロンのほうが安く、飛距離も出るためおすすめです。ナイロン糸はなるべく頻繁に巻きかえます。糸グセがつきやすく仕掛けの送り込みに影響がでるためです。リールに糸を巻く時にある程度糸ヨレを取りながら巻くと遠投がしやすくなります。また、エサを入れる前にヨリモドシとオモリだけ付けた仕掛けを最初に数投して糸を伸ばし、糸ヨレをとるのもコツです。
12)一匹釣るまでは、アワセのイメージがしにくい仕掛けです。アタリがあって糸が出てから、糸ふけをとってオモリ近くに仕掛けが到達するまではアワセが効効きません。その間に吐かれないか、とか心配もあったりします。一匹釣ったらあら不思議、案外吐かれませんし、勝手にかかってくれます。ウキ釣りより吐かれないイメージがあります。吐かれるパターンだいたい、ドラグが強めの設定だった場合と道糸の途中で仕掛けが絡んだ状態でアタリがあったときが多いです。いずれも、魚が早めに違和感を覚えたためです。そういうときは、仕掛け投入後にドラグをゆるゆるであることを確認することはもちろん、ハリスを手で伸ばしたり、ハリスを少し短めに変更したり、スナップ部分の絡みが少ない仕掛けに変更します。制限付きのエレベーター仕掛けにしている場合も違和感を早めに覚えるためかエサだけ吐かれる率は高いです。吐かれる前にかけろの精神でトレブルフックを使う手もありますね。
アタリは道糸を張って待ちますが、ドラグはやや緩めにしておきます。磯竿の穂先にお辞儀をさせつつ、オモリが動かない状態で、糸がギリギリ出ないドラグ設定が適切です。ヒットでドラグがジーッと音を立ててでたら慌てずにベールをフリーにして送り込みます。勢いよく糸が出ることを確認し、スプールを押さえてアワセを入れてます。魚が掛かったら、ドラグを締めて、なるべくポンピングを控えつつ巻きます。糸のたるみからくるバレを防ぐためです。アタリのあとに糸の出がゆっくりになったり止まったりしたときは、魚が方向を変えたり止まったり吐き出したり等が考えられます。急いでドラグを締めてベールを戻して巻いていき、魚の感触があればアワセを入れます。エレベーター仕掛けの場合、手元にアタリが反映されるまで時間がありますので、ウキ釣りやフリー仕掛けのように釣り人側であまり長い時間糸を送り出す必要はありません。
13)「エサが潜らないと」いう声があったので、エサを沈める方法をまとめました。よければこちらを御覧ください。「エレベーター仕掛け」でエサが潜らないときのワザ15選【泳がせ釣り】
余談)ちなみに、慣れたら糸の出具合でかかった魚のサイズが推測できます。60センチ台…サーッとやや大人しく糸が出ていきます。70センチ台…最初はかなり勢い良く糸がでますが、途中から勢いが下がったりします。80センチ台…勢いよくノンストップで糸がでます。90センチ以上…はちゃめちゃな勢いで糸が放出されてスプールの糸を持っていきます。もちろんノンストップ。魚の引きの強さは魚の全長より体重(筋肉量)のほうが比例しているでしょうから、あくまで推測です(笑)。
最強の「フリー仕掛け」
多くの釣り場では、ウキかエレベーターのいずれかの仕掛けで対応可能です。
ただ、それにも勝ることがある特効仕掛けが3つあります。一つはフリー仕掛けです。フリー仕掛けは、エサに針をつけて泳がせるだけ。エサ任せでエサを自由に泳がせる釣法です。全層、全距離に対応できます。エサが泳ぎ回りますので混雑した釣り場では向いていません。
エサが自由に動き、ある程度の速度で泳ぐことができるため食い気がある青物がいるときには最も強い釣り方でもあります。ウキにはアタリがないけど、フリーにはアタリがどんどん来る、なんてよくあることです。シンプル・イズ・ベストをこれほど体現した仕掛もないでしょう。ボイルが出ていたり、マズメ時など活性が高い時間帯に表層寄りを狙いたいときに特に活躍します。
ちょっとしたコツ
1)エサに遊泳力のあるサバを使えば、沖の方まで探るということも可能です。サバは弱りやすいので、エサは投げずに足元に落としてうまく魚の泳いでほしい方向に誘導してやるのがコツです。サバも何度も投げさえしなければ意外と長持ちしてくれます。
2)大きめの発泡玉ウキ(10号程度、オモリ負荷3号ー5号程度)をウキ止めなしで道糸に通しておくことで、だいたいどの位置にエサが泳いでいるのか把握することが可能です。他人にここに仕掛けがありますよ、と知らせることでオマツリを避けることができます。
3)道糸に軽く、しなやかなPEラインを使うことで、エサになるべく負担を掛けずに遠くまで泳がせることができます。PEラインは水に浮きますので根掛かりを防ぐことにもなります。感度がいいので、エサの元気度も推測しやすいです。こだわるならスイベルを使わずPEラインとリーダーの結束はFGノットなどで直結してください。
4)ウキやフリー仕掛けの場合、鼻掛けや口掛けの他に背掛けにしたりアジの場合ゼイゴ掛けにするのも有効です。ゼイゴ掛けは身切れしにくく遠投向きです。背掛けは底に潜りやすく、ゼイゴ掛けは沖に泳ぎやすい仕掛けです。基本的に魚が抵抗と逆方向に泳ごうとする性質のためです。フリー仕掛けが効くときは食いが立っていることも多いですので、トレブルフックで早アワセをすると効率がよいときがあります。
5)時々誘いを入れるようにしてエサに刺激を加えて食いを誘うのは言うまでもありません。エサの片目を潰したり、ヒレを切ったりして変な泳がせ方をすると効くといいます。これは他の仕掛けにも使える方法です。
ポイント直撃!「胴突き仕掛け」
特効仕掛けの2つ目は胴突き仕掛けです。胴突き仕掛けは、海上釣堀ではおなじみの混雑に強い仕掛けで、比較的中~近距離の底層を直撃したいときに使います。釣り場に通い慣れて、魚の通るルートがわかっているときに特に有効な仕掛けです。
たとえば、岸から10メートルのところにカケアガリ(斜面)がある、などがわかっているときに最適です。ヒラメ狙いを兼ねる場合などにも便利な仕掛けです。エソ君のヒット率も上がりますが。なにせ混雑に強いので、飲ませ釣りをしながらルアー釣りもしたい場合にも使えます。
ちょっとしたコツ
1)放置しがちな仕掛けです。なぜかエイばかりかかる、というときはエサ死んでいることもあります。たまには様子を見て新鮮なエサに交換~。
2)オモリの重さは、流されない最低限の重さに設定します。15号~30号があればたいてい大丈夫。オモリの形状は流されにくいスパイク型か六角型か釣り鐘型が人気です。根掛かりの多い場所では、ホゴオモリなんてのもアリですね。要は流されなければなんでもいいのです。
3)個人的には胴突き仕掛けはあまりやりません。比較的早めにアワセを入れることができる海上釣堀ではいいですが、そうでない場合、アワセが遅れることがあり、エサを吐かれてしまうリスクが上がります。オモリ~エサまでの距離が短く、魚が違和感を感じやすいためです。底を狙いたいときは、エレベーター仕掛けに沈めオモリを使って代用してしまいます。そのほうがエサを投げないので元気度を保つことができますからね。ただし、エレベーター仕掛けは近距離では絡みやすくなるデメリットがあるので、そんなときは胴突き仕掛けに軍配が上がります。
4)エサに負担がかかるのでエサが弱りやすい仕掛けです。エイがかかることもしばしば。
5)変わり種で胴付き仕掛けにウキをつける仕掛けもあります。仕掛けが立つのでその効果もありそうです。ウキの動きから餌の状態がわかりますし、アタリをより楽しめます。
手っ取り早く底だけを狙いたいときは次に紹介する投げ掛けにします。
食い込み重視で底を狙う「投げ仕掛け」
3つ目の投げ仕掛けはパイプ天秤などの遊動式天秤を使うことで、底を狙いながら食い込みを上げる仕掛けです。オモリの違和感を極力感じさせず、魚にエサを持っていかせることができます。「ブッコミ釣り」や沖縄では「打ち込み釣り」の仕掛けとして一般的ですね。
ちょっとしたコツ
1)この仕掛けのデメリットは根掛かり。仕掛けを全損することが多いです。パイプ天秤の場合、オモリの根掛かり対策としては、めちゃくちゃ短いステイトをパイプ天秤とオモリの間に使えばいいですが、天秤とオモリが一体化されたものを使う場合は使えません。針や天秤が根掛かりしたときは諦めましょう。
2)活エサを全力でぶん投げると、エサだけ身切れして飛んでいきます。ほどほどの力加減で投げるのがいいでしょう。アジだとゼイゴに掛けると身切れはしにくいです。
釣り場が空いていて2本以上の竿が出せる時は、異なる種類の仕掛けを組み合わせることで、より多くの釣果が期待できます。
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