「1万円以下で買える最もコスパの良いリールは?」
「低価格で何でもそつなくできるリールがほしい」
そんな方におすすめなのが、ダイワの「23レガリス」です。
ダイワの「レガリス」シリーズは、「軽さ」をウリにしているシリーズですが、「23レガリス」は最近の低価格のリールで最もコスパの高い機種として評判です。
どの点が優れているのか、この記事では2つの視点で見ていきたいと思います。
・前モデル「18レガリス」から「23レガリス」への改良点
・「21フリームス」「24レブロス」「20クレスト」等のよく比較される機種との比較
この記事を読めば「23レガリス」の魅力を余すところなく知ることができます。
「23レガリス」はココが変わった
見た目の変化

カラーリング自体は金と黒であまり変わっていませんが、金色部分の主張が減りましたね。
機能等の変化
「18レガリス」から「23レガリス」への進化点は以下の5点です。

- 1)エアドライブローター
- 2)エアドライブベール
- 3)ザイオンVのボディ&ローター
- 4)ATD TYPE-L
- 5)ねじ込み式ハンドル/パワーノブ(大型番手)
その他の違いとして、以下の点もあります。
・メーカー価格は1600円~2900円の値上げ
・自重は10g~25gの軽量化
・ラインローラーに「ツイストバスターⅢ」採用
すべての変更点を加味した表は下記の通りです。

機能を中心に見ていきましょう。
1)軽量な「エアドライブローター」搭載
18レガリスの「エアローター」から23レガリスでは「エアドライブローター」になりました。

「エアドライブローター」は、球体を意識したデザインが特徴のローターです。

剛性を維持しつつ軽量化に成功しています。
ローターの軽量化によって、「ハンドルをスッと巻けてピタッと止める」ことがしやすくなります。
ルアーをテクニカルに操作する場合に特に活躍します。
2)軽量な「エアドライブベール」搭載
18レガリスの「エアベール」から23レガリスでは「エアドライブベール」になりました。

「エアドライブベール」はベールアームの小径化によって軽量化したベールです。

ベールはローターに乗っていますから、ベールが軽くなることで、ローターも軽量化するのがポイントです。リールを巻く/止めるの動作をより軽快に行うことができます。
軽量化で気になるのは強度ですが、実釣に必要な強度は確保されています。
また、ベール傾斜角を従来より増やすことでトラブルレス性が向上しています。

3)ボティ&ローター部がより頑丈な「ザイオンV」に
前モデルの「18レガリス」では、ボディが「DS5」でローターが「DS4」という素材でした。「23レガリス」ではボディとローターのいずれも、「ザイオンV」(ZAION V)にグレードアップして素材の強度がアップしています。

ダイワの樹脂素材は、「DS4」→「DS5」→「ZAION V」→「ZAION」とランクが上がります。ボディは1段階、ローターは2段階アップということですね。

詳細は公表されていませんが、「DS4」はグラスファイバー配合樹脂、「DS5」はカーボン短繊維配合樹脂、「ZAION V」と「ZAION」はカーボン長繊維配合強化樹脂のようです。配合するカーボンの繊維が短いと強度が出ないようです。
また、カーボンの含有量は「DS5」→「ZAION V」→「ZAION」とアップするようです。ZAIONのカーボンの高密度な配合量はカーボンを得意とするダイワの得意分野が生かされています。

剛性の高い素材採用でも剛性が低いことがある
ボディが「DS4」の「20レブロス」のほうが「DS5」の「18レガリス」より剛性が高いというレビューをいくつか見ました。良い素材を使っても、設計がよくないと剛性はうまく出ません。
4)ドラグは滑り出しが軽い「ATD TYPE-L」に
23レガリスに搭載される「ATD TYPE-L」は「ATD」より滑り出しが軽くなったドラグです。

18レガリスに搭載の「ATD」でも滑り出しは軽いほうだったと思いますが、さらに進化したということですね。
「ATD TYPE-L」ではフッキング時等の瞬間的な引っ張りに対するドラグ値の上昇を抑えています。

そのためライトラインでの使用に適しています。

「ATD TYPE-L」って具体的に何?
「ATD TYPE-L」はどのような仕組みでドラグの特性を変化させているのか不明です。ドラグワッシャーとそれにつけるグリスの違い、スプールの内側の溝の形、それに当たるスプリングの3つの違いでドラグの特性を変化させているのだと思います。なお、すべてのATD TYPE-L搭載機種がこれに該当するわけではなく、下位の24レブロスはドラグワッシャーやドラググリスは同じものです。
5)ハンドルはねじ込み式を採用/大型番手にはパワーノブ採用
23レガリスには「ねじ込み式ハンドル」が搭載されています。その名の通り、ドライブギアに直接ねじでハンドルを固定する方式のため、従来の供回り式と比べてガタツキが減り巻心地がアップしています。

上位のねじ込み式ハンドル搭載
23レガリスのねじ込み式ハンドルの素晴らしいところは、シマノではストラディック以上に搭載される「折りたたみ不可の本格的なねじ込み式ハンドル」であることです。折りたたみ式のねじ込みハンドルと比べ、ガタツキが発生しにくい構造です。
また、LT-4000番以上の中型以上のサイズには、「パワーライトタイプEVAノブ」が採用されていて、高負荷時の巻心地がアップしています。ラウンド形状のノブなので力を込めやすいです。

補足)ラインローラーはツイストバスターⅢ
マイナーアップデートとしては、ラインローラーの糸ヨレ防止機構が「ツイストバスターⅡ」から「ツイストバスターⅢ」になっています。

ツイストバスターⅢでは、溝を設けることでラインローラー上の糸のバタつきを抑制しています。
「23レガリス」とよく比べられる機種との比較
ダイワの安価なリールの中で、比較されることが多いダイワの「21フリームス」、「24レブロス」、「20クレスト」との機能と素材の比較をします。

違いのある部分のみの比較です。
すでに紹介した部分が多いので、軽く見ていきましょう。
「23レガリス」のボディやローターの素材は「ザイオンV」
すでに紹介した通り、「23レガリス」のボディやローターの素材はカーボン配合樹脂の「ザイオンV」です。

これは上位の「21フリームス」と同一です。
一方で、下位機種の「20レブロス」と「20クレスト」のボディやローターの素材はグラス配合樹脂の「DS4」となっています。「ザイオンV」のほうが同じ重量でも剛性を出すことができます。
注意したいのは「21フリームス」は前デザインの「エアローター」であることです。「23レガリス」は「エアドライブローター」という新デザインを採用しており、おなじザイオンVでも軽量化されています。
「23レガリス」のベールは「エアドライブベール」
ベールは「23レガリス」と「24レブロス」がワイヤー仕様の「エアドライブベール」となっています。前モデルの「エアベール」と比べて軽量化がされています。
「21フリームス」や「20クレスト」はエアドライブ以前の仕様になっており、次期のバージョンアップが期待されます。
「23レガリス」のボールベアリング数は5個
ボールベアリングの数は、「21フリームス」と「23レガリス」は5個搭載です。
下位の「24レブロス」と「20クレスト」の2機種は4個搭載です。
何が違うのでしょうか?ボールベアリングの搭載箇所の内訳を見てみましょう。
ボールベアリング4個のケース
「24レブロス」や「20クレスト」などのダイワで4個のボールベアリングの機種の場合、以下の箇所にボールベアリングが搭載されます。
- ピニオンギア 1個
- ドライブギア 左右 2個
- オシレーティングギア 1個

「ピニオンギア」はローターを回転させるギアであり、ここにボールベアリングをつけることがスピニングリールの巻き心地を一番アップさせます。ダイソークラスの超格安リールでも搭載されています。
「ドライブギア」はハンドルの回転で最初に動くメインのギアであり、その左右をボールベアリングで支持することで巻き心地がアップします。
「オシレーティングギア」はスプールの上下運動を発生させるためのギアであり、ここにボールベアリングを使うことでスプールの上下運動がスムーズになります。

シマノの同様の構造を持つリールには見かけない搭載箇所です。
ボールベアリング5個のケース
「21フリームス」と「23レガリス」には、上記4箇所に加えて、ピニオンギアの下部にボールベアリングが1個追加されます。

これによってピニオンギアの2箇所をボールベアリングで支える構造になります。シマノで言えば「X-SHIP」の構造です。これによって高負荷時の巻き上げのトルクがアップします。大物とのファイトがしやすくなったり、負荷の高いルアーを巻きやすくなります。

「23レガリス」はハンドルノブにボールベアリングを追加できます。リトリーブ中の感度が必要なルアー釣り用におすすめのチューニングです。

「23レガリス」のドラグは「ATD TYPE-L」
「23レガリス」と「24レブロス」には「ATD TYPE-L」が搭載されています。これにより、瞬間的な力がかかったときになめらかにドラグが出ます。


ちょっとマニアックなことを言えば、「24レブロス」がドラグワッシャやグリスがATDと同じ「なんちゃってATD TYPE-L」であることに対して「23レガリス」はスプール内部の溝の形まで非対称設計で工夫された「ATD TYPE-L」になっており、同じ「ATD TYPE-L」でも違いを見せています。
「23レガリス」のハンドルは「ねじ込み式」
「21フリームス」と「23レガリス」には、「ねじ込み式ハンドル」が採用されています。ガタが減るので低負荷時の巻き心地がアップします。折りたたみ式ではない本格的ねじ込み式ハンドルなのもポイントが高いです。
「23レガリス」には「逆転ストッパー」搭載
「23レガリス」などにはハンドルの逆回転を可能にする「逆転ストッパー」がありますが、最も安い「20クレスト」にのみ「逆転ストッパー」は搭載されません。
この機能を使わない人も多く、ストッパーの隙間から水やゴミが侵入して故障の原因になるので、上位機種でもしばしば「逆転ストッパー」が非搭載のモデルもあります。人によって評価が分かれるところです。
「23レガリス」には「マグシールド」が非搭載
「23レガリス」と「21フリームス」の一番大きな違いは「マグシールド」の有無です。
「マグシールド」とは磁性オイル(マグオイル)を使って、水やホコリの侵入を防ぐ機構のことです。

「21フリームス」には上部から水やホコリを防ぐための「マグシールド」が施されています。ダイワによると、「故障が極端に少なくなる」ということです。
メンテナンスでの水の侵入が気になる人や波しぶきがかぶるような場所で釣りをする人にとっては嬉しい機能だと思います。
一方で、「マグシールド」搭載による重量の増加や巻き心地のわずかな重さ、マグオイルがあることによるメンテナンスの難しさから、「マグシールド」搭載機種を敬遠をするユーザーもいます。
【まとめ】「23レガリス」はこんな人におすすめ
「23レガリス」の主な進化の方向性は、「剛性を維持しつつ軽量化」です。
ボディやローター素材として「ザイオンV」が採用されたうえに、「エアドライブローター」、「エアドライブベール」という軽量剛性化のためのデザインがそれを可能としました。さらに、滑り出しの軽いドラグ「ATD TYPE-L」の採用や本格的な「ねじ込み式ハンドル」、大型番手の「パワーノブ」は、釣りの快適性をアップさせる嬉しいアップデートです。
以上により、従来のレガリスシリーズの「安価で軽量、高機能」を大幅に進化させたリールになっています。
最新機能が盛り込まれたことにより、よく比較される「20クレスト」「24レブロス」「21フリームス」と比べても最高のコストパフォーマンスのリールとなっています。
正直、実売1万円未満で手に入るリールとしては最高のリールではないでしょうか。

ダイワとシマノの低価格リールの違い
軽量化という点では、ダイワのリールはシマノの同価格帯リールより上なことが多いのも魅力です。ダイワ汎用低価格リールはベアリングを入れなくてもラインローラーの滑りが良いことと、シマノの汎用低価格リールにはないLT6000Dという大型番手があることも大きな魅力です。
23レガリスのラインナップ

人気ランキング
アマゾンでの評価数、レビュー数から人気ランキングを作成しました。(2025/4)
順位 | 番手 |
---|---|
1位 | LT2000S-P |
2位 | LT4000-CXH |
3位 | LT2500S-XH |
4位 | LT5000-CXH |
5位 | LT2000S-XH |
6位 | LT1000S |
7位 | LT3000-CXH |
8位 | LT2500S-DH |
9位 | LT6000D-H |
10位 | LT3000D-C |
11位 | LT2500D |
レガリスは軽量機だけに、軽量な番手が人気ですが、そのコスパの高さから用途が広いLT4000やLT5000も人気です。一方でオールラウンド番手は相対的に人気はありません(それでもものすごい人気ですが)。サビキやちょい投げだけならレブロスやもっと安いリールでもいいですからね。




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