「軽くてコスパのいいリールは?」
そんな方におすすめなのが、ダイワの「23レガリス」です。
ダイワの中でも「レガリス」シリーズは、「軽さ」をウリにしている機種です。
本記事の構成は以下の通りです。
・前モデルの「18レガリス」と比べたときの「23レガリス」の改良点
・「フリームス」「レブロス」「クレスト」等のダイワ製スピニングリールでよく比較される機種との性能比較
「23レガリス」の特徴を余すところなく知ることができると思います。
「18レガリス」から「23レガリス」への進化は軽量化+α
23レガリスの進化した部分は以下の5点です。
- 1)エアドライブローター
- 2)エアドライブベール
- 3)ザイオンV
- 4)ATD TYPE-L
- 5)ねじ込み式ハンドル/パワーノブ(大型番手)
順番に見ていきましょう。
1)軽量剛性化を実現「エアドライブローター(AIRDRIVE ROTOR)」
「エアドライブローター」は、剛性を維持して軽量化したローターのことです。
画像出典:ダイワ イグジストHP
この球体を意識したデザインによって、軽量化しても剛性は変わらないそうです。
軽量化によってローターが低慣性になるため、「スッと巻けてピタッと止められる」というルアーフィッシング上でのメリットが出ます。
AIRDRIVE ROTOR
独自の理論により、球体からそのまま切り出したかのような新形状を導き出し、そこからさらに不要な肉を徹底的に削ぎ落すことで、剛性を維持したまま、大幅な軽量化を実現します。操作性、感度の向上に繋がる巻き出しの軽さが飛躍的に向上しました。
ダイワ HP
2)軽量化を実現「エアドライブベール(AIRDRIVE BAIL)」
「エアドライブベール」はベールアームの小径化によって軽量化したベールです。ベールはローターに乗っていますから、ベール軽量化は低慣性なローターに寄与します。
画像出典:ダイワ イグジストHP
軽量化で気になるのは強度ですが、実釣に必要な強度は確保されています。
また、ベール傾斜角をラインローラーにつれて鈍角にセッティングすることでトラブルレス性が向上しました。
画像出典:ダイワ イグジストHP
AIRDRIVE BAIL
ワイヤータイプのAIRDRIVE BAILを採用。ローターユニットのさらなる軽量化を実現するために実釣時における必要強度を維持したまま、大幅軽量化を実現。ベールを含むローターユニットの軽量化により、回転慣性の大幅低減に寄与。回転レスポンスに磨きをかけ、操作性を向上させました。アームレバー部も新形状を採用し、糸絡みを大幅軽減しました。
ダイワ HP
3)高強度カーボン配合樹脂「ザイオンV」がボティ&ローター部に
前モデルの「18レガリス」では、ボディが「DS5」でローターが「DS4」という素材でした。「23レガリス」ではボディとローターのいずれも、「ザイオンV」(ZAION V)にグレードアップして素材の強度がアップしています。
ダイワの樹脂素材は、「DS4」→「DS5」→「ZAION V」→「ZAION」とランクが上がります。ボディは1段階、ローターは2段階アップということですね。
詳細は公表されていませんが、「DS4」はグラスファイバー配合樹脂、「DS5」はカーボン短繊維配合樹脂、「ZAION V」と「ZAION」はカーボン長繊維配合強化樹脂のようです。
配合するカーボンの繊維が短いと強度が出ないようです。また、カーボンの含有量は「DS5」→「ZAION V」→「ZAION」とアップするようです。ZAIONのカーボンの高密度な配合量はカーボンを得意とするダイワの得意分野が生かされています。
以前、ボディが「DS4」の「20レブロス」のほうが「DS5」の「18レガリス」より剛性が高いというレビューをいくつか見ました。良い素材を使っても、設計がよくないと剛性はうまく出ません。「23レガリス」の実際の剛性感がどれくらいなのか、実際に触ったり使ったりして確認するのが大事です。個人的に、店頭で触ってみたり、購入者のレビューを覗いてみましたが、剛性はアップしているとみてよさそうです。
ZAION V
リールを、もっと軽く、強く。そのために開発されたカーボンハイブリッド樹脂が、ザイオン V(ブイ)。ハイブリッドするカーボン量を緻密にコントロールすることで、金属を凌駕する軽量性と金属に比肩するほどの強度をハイレベルで実現するとともに、多くのリールに搭載可能なバーサタイル性をあわせ持たせました。カーボンハイブリッド樹脂のMAXスペックともいえるザイオンのエッセンスを受け継いでいます。
ダイワ HP
4)ドラグが滑り出しが軽い「ATD TYPE-L」に
「ATD TYPE-L」は「ATD」より滑り出しが軽くなったドラグです。
普通の「ATD」でも滑り出しは軽いほうだったと思いますが、さらに進化したということですね。
「ATD TYPE-L」ではフッキング時等の瞬間的な引っ張りに対するドラグ値の上昇を抑えています。そのためライトラインでの使用に適しているとのことです。
泳がせ釣りで「ドラグゆるゆる」で待ちたい場合に良さそうと思ったのですが、店頭で触る限り、「23レガリス」LT6000Dのドラグはやや強いほうに寄っているようで、泳がせよりルアー用に近いセッティングだと思います。
ATD TYPE-L
魚の引きに合わせスムーズに作動し、滑らかに効き続けるATD。その初動レスポンスを高めたATD TYPE-L。滑り出しと追従性を追求し、ドラグ設定を気にすることなく、ファイトに集中することが可能となりました。
ダイワ HP
5)ハンドルはねじ込み式を採用/大型番手にはパワーノブ採用
「ねじ込み式ハンドル」の搭載で、主に低負荷時の巻心地がアップしました。
外国製の安価なリールでも「ねじ込み式」ハンドルが多数になっていますから、日本のメーカーとしても出し惜しみができなくなったのかもしれません。シマノはサハラまで「ねじ込み式」ですから、同価格帯のダイワの次期レブロスも「ねじ込み式」ハンドルになる期待が持てます。
また、LT-4000番以上の中型以上のサイズには、「パワーライトタイプEVAノブ」が採用されていて、高負荷時の巻心地がアップしています。円形のノブだから力を込めやすいのです。
「23レガリス」とよく比べられる機種との比較
ダイワの安価なリールの中で、比較されることが多いダイワの「21フリームス」、「20レブロス」、「20クレスト」との機能と素材の比較をします。
違いのある部分のみの比較です。「23レガリス」がこれらのリールの先頭を切って新技術が搭載されたことがわかります。
すでに紹介した部分が多いので、軽く見ていきましょう。
「23レガリス」のボディ素材「ザイオンV」
「23レガリス」のボディ素材はカーボン配合樹脂の「ザイオンV」です。
これは上位の「21フリームス」と同一です。下位機種の「20レブロス」と「20クレスト」はグラス配合樹脂の「DS4」となっています。「ザイオンV」のほうが軽く強度を出すことができます。
「23レガリス」のローター素材は「ザイオンV」
ローター素材も、「21フリームス」と「23レガリス」には「ザイオンV」が採用されています。一方で下位の2機種には「DS4」が採用されています。
注意したいのは「21フリームス」は前デザインの「エアローター」であることです。「23レガリス」は「エアドライブローター」という新デザインを採用しており、重量が軽くなっています。
「23レガリス」のベールは「エアドライブベール」
ベールは、「23レガリス」のみワイヤー仕様の「エアドライブベール」となっています。前モデルの「エアベール」と比べて軽量化がされています。
「23レガリス」のボールベアリング数は5個
ボールベアリングの数は、「21フリームス」と「23レガリス」の上位2機種は5個です。
下位の「20レブロス」と「20クレスト」の2機種は4個です。多いほうが性能が上です。
ボールベアリングの搭載箇所の内訳を見てみましょう。
「20レブロス」と「20クレスト」(BB4個)のパターン
4個のボールベアリングは以下の箇所に搭載されています。
・ドライブギア 左右 2個
・ピニオンギア 上部 1個
・オシレーティングギア 1個
オシレーティングギアのボールベアリングは、シマノの同様の構造を持つリールには見かけない箇所です。
この図の45番がオシレーティングギアのボールベアリングです。オシレーティングギアはスプールの上下運動を発生させるためのギア(図の42番)です。つまり、スプールの上下運動がスムーズになるということです。
「21フリームス」と「23レガリス」(BB5個)のパターン
「21フリームス」と「23レガリス」には、上記4箇所に加えて、ピニオンギアの下部にボールベアリングが1個追加されます。
上図は「21フリームス」の分解図ですが、46番がピニオンギア、44番と48番がボールベアリングです。48番(リールの下側)が樹脂パーツからボールベアリングに変更になるのです。
これによってピニオンギアの上と下をボールベアリングで支える構造になります。シマノで言えば「X-SHIP」の構造ですね。これによって高負荷時の巻き上げのトルクがアップします。
「23レガリス」はハンドルノブにボールベアリング追加を簡単にできます。
「23レガリス」のドラグは「ATD TYPE-L」
「23レガリス」にのみ「ATD TYPE-L」が搭載されています。瞬間的な力がかかったときになめらかにドラグが出ます。
「23レガリス」のハンドルは「ねじ込み式」
「21フリームス」と「23レガリス」には、「ねじ込み式ハンドル」が採用されています。ガタが減るので低負荷時の巻き心地がアップします。
「23レガリス」には「逆転ストッパー」搭載
「23レガリス」などにはハンドルの逆回転を可能にする「逆転ストッパー」がありますが、最も安い「20クレスト」にのみ「逆転ストッパー」は搭載されません。
この機能を使わない人も多く、ストッパーの隙間から水やゴミが侵入して故障の原因になるので、上位機種でもしばしば「逆転ストッパー」が非搭載のモデルもあります。人によって評価が分かれるところです。
「23レガリス」には「マグシールド」が非搭載
「23レガリス」と「21フリームス」の一番大きな違いは「マグシールド」の有無です。
「マグシールド」とは磁性オイル(マグオイル)を使って、水やホコリの侵入を防ぐ機構のことです。
「21フリームス」には上部から水やホコリを防ぐための「マグシールド」が施されています。ダイワによると、「故障が極端に少なくなる」ということです。
メンテナンスでの水の侵入が気になる人や波しぶきがかぶるような場所で釣りをする人にとっては嬉しい機能だと思います。
一方で、「マグシールド」搭載による重量の増加や巻き心地のわずかな重さ、マグオイルがあることによるメンテナンスの難しさから、「マグシールド」搭載機種を敬遠をするユーザーもいます。
マグシールド
「液体で液体をブロックする」という考え方であるマグシールド。磁性により半永久的に存在できるマグオイルの壁で、リール内部への海水や埃の侵入を防ぐDAIWAのオンリーワンテクノロジーである。2010年に発表したこの画期的な技術は、発表以来ラインローラーへの搭載・ボールベアリングへの搭載と進化しつづけ、今やDAIWAリールにとって、アングラーにとって、必須のテクノロジー。
ダイワ HP
【まとめ】「23レガリス」はこんな人におすすめ
「23レガリス」の主な進化の方向性は、「剛性を維持しつつ軽量化」です。
ボディやローター素材として「ザイオンV」が採用されたうえに、「エアドライブローター」、「エアドライブベール」という軽量剛性化のためのデザインがそれを可能としました。
さらに、滑り出しの軽いドラグ「ATD TYPE-L」の採用や「ねじ込み式ハンドル」、大型番手の「パワーノブ」は、釣りの快適性をアップさせる嬉しいアップデートです。
以上により、従来のレガリスシリーズの安価で軽量、高機能を進化させたリールになっています。
また、最新機能が盛り込まれたことにより、よく比較される「20クレスト」、「20レブロス」、「21フリームス」と比べても性能が高いリールです。
低価格で高コスパで軽いリールが欲しい人にはピッタリのリールになるでしょう。
たとえば、小型~中型魚までのルアーフィッシングをする人や、タックルの軽さを生かした釣りをしたい人にはとても魅力的なリールです。
軽量化という点では、シマノの同価格帯リールより上なのも魅力です。
懸念点は、軽量化のぶん、耐久性や剛性がどうなるかです。素材やデザインでカバーしているということですので使うのが楽しみです。
ちなみに、ダイワ汎用低価格リールの良いところは、ベアリングを入れなくてもラインローラーの滑りが良いことと、シマノの汎用低価格リールにはないLT6000Dという大型番手があることです。個人的にはLT6000Dの剛性感とドラグの滑り出しがどれほどのものか気になります。→店頭で触ったり評判を見る限り、剛性はアップ、滑り出しは泳がせノマセ用よりルアー用という印象です。
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