シマノ「23ストラディック」は神コスパ機！ツインパワーを超えた！？

「コスパがいい、最新機能が搭載された機種ないかな？」

「ハイエンドでなくても頑丈なリールある？」

あります。

ズバリ、シマノの「23ストラディック」。

「ストラディック」といえば、中価格帯でありながらステラ等の最上位機種に搭載される最新機能も妥協なく採用されるシマノの「基軸」スピニングリールです。

今回の「23ストラディック」はステラなどのハイエンド機に搭載された最新機能を4つも搭載しています。

まず新ストラディックに新しく搭載された機能を紹介したあとに、よく比較される機種との比較をおこないます。

「23ストラディック」には4つの機能が新搭載されました

「19ストラディック」から「23ストラディック」に進化して追加された機能は4つです。

• １）インフィニティクロス
• ２）インフィニティドライブ
• ３）アンチツイストフィン
• ４）デュラクロス

順番にみていきましょう。

１）ギアの接地面積増加で耐久性アップ「インフィニティクロス」

「インフィニティクロス」とはシマノいわく、

ギア歯面の設計・製造技術の進歩によりドライブギアとピニオンギアの噛み合う接地面積が向上。その結果ギアの歯面にかかる負荷をより広範囲へと分散することに成功。集中的にダメージを受けて損傷することを防ぎ、従来設計と比べて耐久性が約2倍(※)に向上しました。ギアの耐久性が向上したことにより、なめらかで力強い巻きごこちを長期間キープすることができます。

※当社基準ギア耐久テストによる

シマノHP

つまりギアの接地面積の向上です。耐久性が従来品より2倍になったというのはすごいですね。

新旧のギアの歯面の比較画像をみると、歯面がやや浅くなりかなり長くなったのがわかりますね。

２）よりなめらかな巻きを実現する「インフィニティドライブ」

「インフィニティドライブ」とは、シマノいわく

軽い巻き上げを実現した従来のX-SHIP構造がさらにパワフルな構造へと進化。これまでピニオンギアで支持していたメインシャフトを特殊低摩擦ブッシュで支持することで摺動抵抗が大幅に軽減。さらにメインシャフト自体に特殊表面処理や特殊加工を施すことで回転トルクも大幅に低減。高負荷がかかった状態でも積極的に巻き上げられるリールへと進化しています。

シマノHP

改良点の「メインシャフト」はスプールを上下させるパーツですから、この部分を滑らかに機能させることで、高負荷時でもなめらかにスプールが上下できるようになったということです。

３）糸よれを低減する「アンチツイストフィン」

「アンチツイストフィン」とは

ラインローラー部に近接するように弾性体のフィンを設置。ラインのたるみを抑えることでスプール下部にラインが脱落する現象やラインがよれたままスプールに巻き付けられる現象を軽減します。

シマノHP

糸よれをラインローラー下部の特殊構造で低減する機能です。

ステラで話題になった機能がもうストラディックに搭載されました。

４）なめらかなドラグ性能と耐久性の実現「デュラクロス」

「デュラクロス」とはシマノいわく

新材料による新しいドラグワッシャー。従来のドラグワッシャーを構成する繊維方向に直交する形で新しい繊維を織り込み材料を強化。滑らかなドラグ性能はそのままに、耐摩耗性を10倍以上(※)に高めることに成功しました。

※当社比較テストによる

シマノHP

なめらかなドラグ性能はそのままに、耐久性がアップしたドラグワッシャーです。

シマノの耐久テストでは、上記画像のように旧ストラディックのドラグワッシャーが摩耗する状況でも、新ストラディックのドラグワッシャーは無事だったということです。

「23ストラディック」の新機能のまとめ

「23ストラディック」の新機能をまとめると、ギアの耐久性のアップ、高負荷時の巻取りのアップ、糸絡みの低減、ドラグ耐久性のアップでした。

ストラディックは頑丈なボディであり、その力強さも人気の一つです。

今回のギアやドラグの耐久性アップや高負荷時の巻取り感アップとは相性が良さそうなアップデートです。

これら4つの新機能は2024年5月現在、ステラとヴァンキッシュとツインパワーにのみに搭載されている機能です。

ストラディックがここまで優遇されることに、メーカーの「ストラディック」にかける思いを感じます。

ちなみに、初期ラインナップはC2000S～C5000XGで、通常の汎用スピニングリールのラインナップです。500番は後から追加されるパターンかもしれません。

「23ストラディック」比較される機種との比較

今回は、シマノのラインナップで「23ストラディック」と比較的価格が近い「24ツインパワー」、「21ツインパワーXD」、「20ヴァンフォード」、「21アルテグラ」との比較をします。

「23ストラディック」の機能比較（材質以外）

まずは、材質以外の「機能」を比較します。

「24ツインパワー」の登場前までは、これらの機種の中では「23ストラディック」のみに「インフィニティクロス」、「インフィニティドライブ」、「アンチツイストフィン」、「デュラクロス」が搭載されていました。

「23ストラディック」のボールベアリングの搭載箇所

モデルごとに、ボールベアリング（BB）の数が少しずつ変わり、これがリールの差別化をしてます。

単純に言えば、ボールベアリングが搭載された箇所の性能がアップします。

ボールベアリングの搭載箇所は、以下のようにステップアップします。

「21アルテグラ」ではエサ釣りでも欲しい、ベーシックな箇所にボールベアリングが搭載されています。

「23ストラディック」には、さらに「ハンドルノブ」にボールべリングが追加されており、低負荷時の巻きのなめらかさがアップします。ルアーフィッシングにはあってほしい機能です。

注目はツインパワーシリーズ。「スプール内部」に2個のボールベアリングを追加した「リジッドサポートドラグ」が搭載されています。ドラグがよりなめらかに出るようになります。

また、ツインパワーシリーズにはラインローラーに特殊な防水BBが使用されていて、水が侵入しやすく壊れやすいラインローラーのボールベアリングをケアしています。

「23ストラディック」に「マグナムライトローター」は非搭載

「マグナムライトローター」はMGLシリーズ用のローターで、左右非対称の形状によって、すぐに止まる＝低慣性を目的としています。

ルアーを繊細に操作する釣りでは、この巻き出しが軽く、ピタッと止まる低慣性なローターが活躍します。

「23ストラディック」はMGLシリーズではなく、「マグナムライトローター」は搭載されていませんので、慣性を生かす釣り、たとえば「高速巻き」や「ただ巻き」を生かす釣りが得意なリールです。

マグナムライトローター

回転慣性を低減化しローター剛性を強化
左右非対称のローター構造を採用し、操作性と感度の向上を求めて、異次元の回転の軽さを実現したマグナムライトローター。さらにラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行い回転慣性の低減に成功した。

シマノHP

「23ストラディック」の材質

リールのパーツに使われる材質によって強度・剛性・軽量さが変わります。

リールの素材の剛性は、おおよそ下記の通りだと考えられます。

チタン ＞ マグネシウム ＞ アルミニウム ＞ ステンレス ＞ CI4＋ ＞ 高強度樹脂
（←軽くて高剛性）

※素材には様々な種類があり、特に金属の合金は特性がまちまちです。リールの価格からの推測も入れています。（参考：比強度の一覧表、参考：マグネシウムの基礎知識、「マグネシウム合金」という素材）

「23ストラディック」のボディは「アルミニウム」＋「樹脂」製

リールの剛性で大事なのはボディの材質です。

「23ストラディック」のボディの素材は「アルミニウム」と「樹脂素材」の組み合わせとなっています。

ボディでも特に負荷のかかるリールフット部分は「アルミニウム」であり、ギアボックス側は「樹脂素材」です。

この価格帯でボディに金属を使用していることがストラディックのウリで、特に剛性を重視した仕様になっています。

「23ストラディック」のローターは「高強度樹脂」製

ローターの材質の頑丈さも大物対応には大事です。ヤワなリールだと大物を掛けたときにラインローラを支える部分がたわんで巻き取りに影響がでます。

「23ストラディック」のローターは「高強度樹脂」なので、アルテグラやシマノのエントリーモデルの大半のスピニングリールと同等です。

上位での「20ヴァンフォード」や「21ツインパワーXD」だとカーボン入りの樹脂素材「CI4＋」、「24ツインパワー」だとさらに剛性重視の金属素材（アルミニウムorマグネシウム）になっています。

「23ストラディック」のベールは「ステンレス」製

「23ストラディック」では「ステンレス」製のベールが採用されています。

軽量化が求められるツインパワーやヴァンフォードには「チタン」が採用されています。

「チタン」と「ステンレス」の強度的な差はあまりありませんが、「チタン」のほうが材質としてより軽く作れる特長があります。

ルアーの操作時にスッと巻いてピタッと止めるようなローターとベールの低慣性さが求められる釣りに向いています。

なお、これらの機種のベールは針金タイプではなくどれも「ワンピースベール」が搭載されています。

「23ストラディック」のスプールリング材質は「アルミニウム」

スプールリングは特に傷が付きやすく、使用に影響が出るパーツなので材質に工夫が凝らされています。

「23ストラディック」をはじめ大半の機種のスプールリングはオーソドックスなアルミニウム製です。

対して、ツインパワーシリーズはステンレス製でより頑丈になっていますし、ツインパワーXDや24ツインパワーにはステラと同じSWバリアコートでさらに傷がつきにくくなっています。

「23ストラディック」総まとめ

ボディ素材やベールの材質だけを見れば「21アルテグラ」、「23ストラディック」、「20ヴァンフォード」のラインナップ展開は次の通りです。

21アルテグラ
↓
高強度・高剛性化
↓
23ストラディック
↓
軽量化＋低慣性ローター
↓
20ヴァンフォード

この3機種では、「23ストラディック」は金属がボディに使用されており強度や剛性が高く、安心して長期間使えそうです。

また、基軸リールらしくいち早く最上位の新機能がいち早く採用されています。

「23ストラディック」は、この価格帯で最新機能、耐久性・剛性重視のリールを求めるユーザーにとってベストな選択肢と言っていいでしょう。

ショッピングサイトのレビューも高評価多数です。ぜひ参考にしてください。