エサが潜りたがらない原因 4つ
これまで紹介した「ワザ」を使えば、必ずエサを潜らせることはできます。
しかし、「エレベーター仕掛け」のメリットを生かしながらエサを潜らせるには、なるべく強制的な方法は使わずに、エサ自身に気持ちよく潜ってもらうことが必要です。
なぜ潜らないのかについては諸説あり、特にイカ狙いのヤエン仕掛けを使う人にその悩みが多く、以下のような原因が指摘されています。
- 原因1)バケツと海水との「水温差」
- 原因2)エサがエアーポンプの空気を吸いすぎた
- 原因3)エサの「個性」
- 原因4)表層がエサにとって快適
原因1)バケツと海水との「水温差」
最もよく指摘されるのが、バケツの水温と海水との「水温差」が大きいためにエサが潜らないということです。
人間の場合冷たいプールに飛び込んだら硬直して動けなくなることがあるように、水温差が大きいとエサがショック状態になりうまく泳げなくなるのでしょう。
原因2)エアーポンプの空気を吸いすぎた
バケツやクーラーボックスにいるエサがエアーポンプの空気を吸いすぎてエサに空気がたまると考える人もいます。
エサが不純物と一緒にエアーを吸い込むことで、潜りにくくなるという考えの人もいます。
原因3)エサの「個性」
このエサは潜るのに、こっちのエサは潜らないというケースがあります。「個性」で潜ることを嫌がるエサもいるようです。
原因4)表層がエサにとって快適
底層がエサの嫌いな水温や低酸素だった場合は、そもそも「表層が快適」なのでエサが潜らなくても仕方ありませんね。
エサに自ら潜ってもらうためのワザ 6選
「エサの”個性”」や「表層がエサにとって快適な場合」だとなんともなりませんが、上2つの要因「バケツと海水との”水温差”」「エアーポンプの空気を吸いすぎた」を避けるための対策は以下の方法があります。
- 「大きなバケツ」を使う
- 「こまめな水換え」をする
- 「活かしバケツ」や「スカリ」を使う
- 「クーラーボックス」をエサの活かし場として使う
- 「プロテインスキマー」や「投げ込み式フィルター」を使う
- 「水中ポンプ」を使って海水を汲み上げる
順に見ていきましょう。
発展ワザ1:大きなバケツを使う
だいたい、エサ1匹につき、1リットルの海水を必要とします。大きなバケツを使うことで、たくさんのエサを活かすことができます。
ダイソーの透明バケツ(700円)のサイズだと5リットル、ダイソーのベージュの活かしバケツ(500円)だと7リットルとなっています。最大でエサ5匹~7匹を生かす用途に使えます。メッシュフタがついた水くみバケツ(活かしバケツ)はだいたい同じスペックだと思います。泳がせ釣りでは、30分に1匹程度交換します。2時時間半~3時間半の釣りに向いています。
これ以上の時間、釣りをしたい人や竿の本数を増やしたい人は、バケツの容量アップや、これとは別に海中に「スカリ」や「活かしバケツ」を用意するなどの対策が必要になってきます。
管理人はコスパを重視して以下の製品を使用しています。だいたい30リットル程度の海水で使えるので、30匹程度のエサを活かすことができます。
発展ワザ2:こまめに水を換える
意外と見落としがちなのが「こまめな水換え」です。
バケツ等の水をこまめに水替えをすることで海中との「水温差」を減らし、「不純物」を減らすことができます。
便利なのは、大きすぎず小さすぎない、反転水くみバケツです。
おすすめはこのシマノの反転バケツ19センチです。バケツが最後まで潰れず海中で閉じてしまうことがない仕組みになっています。また、反転し易い工夫がされているので、水が汲みやすいです。
バケツのサイズは、大きいとイッキに水を汲むことができますが、重たいので効率がかえって低下します。そこそこのサイズのものを選ぶのも重要です。
自作で快適さアップ
反転バケツはオモリが付属していないものでも自分でオモリをバケツに取り付ければ案外それで十分だったりもします。専用品を買う前に手持ちの道具で試してみてください。
発展ワザ3:「活かしバケツ」や「スカリ」を使う
何度も水換えするのは重労働ですので、「活かしバケツ」や「スカリ」を使って手軽に「水温差」や「不純物」を減らすことができます。
「活かしバケツ」の定番は、第一精工の「アジスカリ」です。ロングセラー品で評判も上々です。
「活かしバケツ」は「スカリ」と異なりウツボの食害にあいにくく、底に海水が溜まるので引き上げたときにアジが弱りにくいといったスカリの弱点が対策されたものになっています。
「活かしバケツ」でおすすめはタカ産業の「アジ活かしビク」です。
こちらのバケツにはオモリが仕込まれていて海中で安定しやすく、沈むので、表面水温が高すぎる時、低すぎるときに使えます。
重い「活かしバケツ」にご用心
「活かしバケツ」は大きいもののほうが、多くのエサを活かしやすいのですが、底に水が貯まる仕様のために、引き上げ時にかなり重くなるので注意が必要です。実際に手持ちのタカ産業の「アジ活かしビク」の35cmを量ってみましたが、水を汲んだ状態で10.7kg程度あります。多くの人は重いと感じるはずです。足元ぎりぎりまで行ける岸壁から引き上げるのなら可能ですが、手すりがあって、岸壁まで少し距離のある海釣り公園などでは、よほどの筋肉自慢以外は汲み上げが困難になります。他のサイズを持っていないので計算すると、底から10センチ水が入る前提で直径30センチのサイズなら8kg、28センチのサイズなら7kg程度の重量になります。使いやすさを考慮すれば、小さめのサイズをおすすめします。
最近のお気に入りは吉勝の「アジ専科スカリ」33cmです。
大きい割に引き上げ時に軽い仕組みになっています。
底から5-6センチ海水がたまる仕様で引き上げ時に軽いです。これでもエサに使うサイズの15センチ前後のアジなら短時間なら大丈夫な水深になっています。
また、素材が柔らかいため、水中では円柱状ですが、引き上げ時に立方体になって水が抜けるのでさらに軽くなります。よく考えられています。持ち上げ時の重量はだいたい4kgくらいだと思います。
これなら、海釣り公園のような柵のある場所でも、持ち上げ可能でした。小アジ20匹程度なら楽々生かすことができます。軽量かつ折り畳みでかなり薄くなるので持ち運びにも便利です。
こちらの商品はフロート付きなので、安定性がアップしています。冬にエサを海底に沈めたいときはフロートを取り外して安定のためにオモリを取り付けてください。
以上に紹介した「活かしバケツ」にはロープが付属していませんので、足場の高い堤防から使用する場合は別途ロープを購入してください。
ダイソーの「活かしバケツ」を使う場合の注意点
ダイソーで売られている「活かしバケツ」もつかえますが、サイズが小さいので多くのアジを活かしにくい点と流水でエサが弱りやすい点がやや弱点です(流れの激しくない場所で、数匹生かして使うには十分です)。
700円のクリアー(魚を観察できる透明バケツ)と500円の茶色(釣り用活かしバケツ)の2種類ありますが、茶色のほうはたくさんの水が汲めるサイズのためか金属部分(カシメ)が劣化しロープが取れる報告が上がっています。
ダイソー製品ではありませんが、私も同じ目に遭いましたので、基本的に、水汲みバケツのヒモは自分で結びなおして使うようになりました。
発展ワザ4:「クーラーボックス」をエサの活かし場として使う
「クーラーボックス」にエサを入れると、外気温による水温変化を抑えることができます。
「スカリ」や「活かしバケツ」だと、海中から出し入れする手間がありますし、海中で安定しないとかえってエサが弱ることがあったり、磯場や海流の強い場所ではうまく使えないこともあります。
そのため手間はかかりますが「クーラーボックス」を改造して本格的なアジの活かし場を作る人も多いです。
また、「スカリ」や「活かしバケツ」を長時間保管用、「クーラーボックス」を短時間保管用といった具合に組み合わせて使う人もいます。
「カイロ」はいまいち使えない
注意したいのは、気温が低いときにエアーポンプの空気を送り込むことで水を冷やしてしまうケースです。その対策として、エアーポンプを「カイロ」で温めてクーラーボックスに「暖かい空気」を送り込んでいる人がいました。ナルホドと思い自宅で試したのですが、「カイロ」の有無でほとんど水温の変化はありませんでした。やはり熱帯魚用のヒーターを使うなどしないと効果は薄いようです。
発展ワザ5:「プロテインスキマー」や「投げ込み式フィルター」を使う
「クーラーボックス」では、エサが出す「不純物」がたまりますので、除去のために「プロテインスキマー」という装置を用いる方法がポピュラーです。
簡易的な不純物の除去にはエアポンプのストーンの代わりにアクアリウム用の「投げ込み式フィルター」を使う方法もあります。
人気なのは水作シリーズ。安いもので500円程度で売られています。
このタイプは、水の汚れはかなり軽減されます。使い方はストーンの代わりにこれをつけるだけです。
細かいエアーの泡の効果
エアーポンプの泡が細かいと酸素をたくさん溶け込ませる効果がありそうですが、実はそうでもないらしいのです。ストーンで発生させた水中の泡から酸素を溶け込ませるのはほんのわずかで、水面まで到達した泡が水面を波立たせることで、酸素が水面から溶け込むらしいのです。
さらに水中ポンプなどで水槽に水流を作ることによって酸素濃度の差をなくして魚が生きやすい環境を構築することは、アクアリウム界隈では常識のようです。
発展ワザ6:「水中ポンプ」を使って海水を汲み上げる
「スカリ」や「活かしバケツ」を使うとエサの出し入れが面倒ですので、「水中ポンプ」で海水をくみ上げることで利便性を確保しつつ水温を保つことが可能となります。
デメリットとしては、市販の完成品が少ない点、電源が重いので荷物が増える点ですがそれを補って余りあるメリットがあります。
自作する場合の仕組みは「水中ポンプ」と「12V電源」を組み合わせるだけ。案外簡単に作ることができます。
「水中ポンプ」は防波堤の高さがあっても汲み上げできる「高揚程」のものを選びます。
「12V電源」はシールドバッテリーでもいいですが、最近はJackeryのポータブル電源などのアウトドア向けがスマホの給電などにも利用でき災害時にも使えるので人気です。
自作例はYoutubeでいくつも公開されていますので参考にしてください。
【ポポパパ氏の自作例】
【釣り兎えび氏の自作例】
コメント