「安く、長く使えるコスパの高いスピニングリールは?」
そんな人に一番おすすめなのが、シマノの「セドナ」「サハラ」「ナスキー」の低価格3兄弟です。
しかし、「セドナ」「サハラ」「ナスキー」同士、価格が近いのにどんな差があるの?
たしかに、わかりにくいです。
でも、ご安心あれ、格安大好きの筆者はこの3機種を使ってきていますので、違いはよく分かっているつもりです。
結論から言えば、以下の通りです。
- 「23セドナ」……最も価格が安く、コスパが高い機種です。
- 「22サハラ」……真ん中の価格で、「23セドナ」の巻き心地アップ版です。
- 「21ナスキー」…最も価格は高く、「22サハラ」の防水性能アップ+巻き心地アップ版。
今回は以下の内容でお届けします。
- 「23セドナ」と前モデル「17セドナ」を比較。更新点を紹介します。
- 「23セドナ」「21ナスキー」「22サハラ」を比較。それぞれの特長を明らかにします。
この記事を読めば、どのリールを買えばいいのか迷いがなくなるはずです。
「23セドナ」の改良点は4つ
「17セドナ」から「23セドナ」にバージョンアップして改良されたのは以下の点です。
- 軽量化
- サイレントドライブ搭載
- ストッパー切り替え復活
- フリクションリング搭載
軽量化はC3000番で5gというわずかなものでした。
他の改良点をザっと見ていきましょう。
「23セドナ」には「サイレントドライブ」が搭載
「23セドナ」には、ステラなど上位機種に採用されてきた「サイレントドライブ」が搭載されました。
「サイレントドライブ」とは、パーツ間のクリアランスを減らしてガタつきをなくした新設計です。
これにより、ルアー釣りで求められるノイズが少ない巻き心地が期待できます。
サイレントドライブ
ボディ全体の基本設計、駆動関連部品をひとつひとつ見直し、部品間の微細なガタ、隙間、揺れを細部に至るまで徹底的に排除。改善の対象箇所はドライブギア、ウォームシャフト、ウォームシャフトピン、ウォームシャフトギア 、摺動子ギア など多岐に渡る。新たな次元での滑らかな回転性能、静粛性を伴った巻きごこちを実現しました。
シマノセドナ商品ページ
ちなみにこの機能、最小の500番サイズには非搭載なので注意してください。
「23セドナ」には「ストッパー切り替え」が復活
前モデルの「17セドナ」では非搭載だったリールの逆転が可能な「ストッパー切り替え」機能が復活しました。
シマノのリールはこの機構を廃止する方向で進んでいたと思いますが、「22サハラ」で復活し、さらに廉価な「23セドナ」でも復活しました。
たしかに、逆転機構を求めるユーザーは意外なほど多くいます。
個人的には、この機構は使いませんし、防水性能を落としたり故障の一因にもなりますのでありがたくない話ではありますが……(使いこなせないだけ^^;)。
「23セドナ」には「フリクションリング」が搭載
マイナーアップデートとしては、べールを起こしたときにロータの回転を止める「フリクションリング」が搭載されました。
これにより、キャスティング時のトラブルが減りました。
上位の「21ナスキー」や「22サハラ」には「フリクションリング」が搭載されていましたが、「23セドナ」もこれらに並ぶことになったのです。
「21ナスキー」「22サハラ」「23セドナ」の比較
後半では、シマノの低価格汎用スピニングリール3兄弟の機能を比較してそれぞれの特徴を見てみます。
「21ナスキー」「22サハラ」「23セドナ」と順に安くなりますが、機能の違いは以下の通りです。
「23セドナ」は巻き心地を気にしない釣りに
まず、「23セドナ」と「22サハラ」の下の2兄弟を比べましょう。
この2機種の主な違いは、「X-SHIP」と「ねじ込み式ハンドル」です。
これらはいずれも「巻き心地」を向上させる機能です。
「23セドナ」には「X-SHIP」が非搭載
「X-SHIP」とは「ピニオンギア」の両端にボールべリングを用いた機構を指します。
「ピニオンギア」は「ハンドルの回転」を糸を巻きとる「ローターの回転」に変換するパーツです。
「X-SHIP」の搭載によって「ローターの回転」がよりスムーズになりますので、特に高負荷時にハンドルを軽く巻くことができます。
下図左は「22サハラ」、右は「23セドナ」の分解図です。
「22サハラ」は39番の「ピニオンギア」の両端がボールベアリング(図の38番と41番)で支えられています。「X-SHIP」が搭載されているというわけです。
対して「23セドナ」では負荷のかかる上側のみボールベアリング搭載(42番)で、下側は樹脂製のブッシュバーツです(45番)。そのため、「X-SHIP」が非搭載というわけです。
パーツが少し違うだけですが、大物がかかったときにやや「巻き感」が重くなります。
これは、店頭で「空回し」しただけでは気づきにくい点です。
「セドナ」は大物でも使えます
個人的に、「17セドナ」を複数(C3000,C5000)台所有していますが、波止釣りでは十分な性能だと思っています。ポンピングは必須となりますが、80センチオーバーのブリでも問題なく釣れます。ギアも壊れません。「セドナ」に「X-SHIP」がないのは、いい意味での機能省略と考えることもできます。
「23セドナ」には「ねじ込み式ハンドル」が非搭載
「ねじ込み式ハンドル」はその名の通りネジのようなハンドル固定方式です。
ハンドルのガタツキを減らすので、ルアーフィッシングなどで必要な特に低負荷時の巻きのなめらかさを実現するハンドル機構です。
「23セドナ」では、従来のキャップ固定式の「供回り式ハンドル」となります。
このハンドルは、「ねじ込み式ハンドル」に比べると多少のガタツキはありますが、気軽な防波堤エサ釣りなどには十分です。
以上をまとめると、「X-SHIP」と「ねじ込み式ハンドル」が非搭載の「23セドナ」はほかの2機種に比べて低負荷・高負荷の巻き心地は落ちるということです。
つまり、「23セドナ」は巻き心地を気にしなくていい釣り向けのリールなのです。
「21ナスキー」は防水性能がアップしたモデル
3兄弟の一番上の「21ナスキー」にはどのような特長があるのでしょうか。
「21ナスキー」には「コアプロテクト」と「ドラグノブの防水機構」が搭載され、「ストッパー切り替え」機能も無いことから、防水性能がアップしています。
この3点について見ていきましょう。
「21ナスキー」には「コアプロテクト」が搭載
「コアプロテクト」とは撥水処理をしたカバーを搭載することで、ギアへの水の侵入を防いでくれる機構です。
画像はシマノ「15ツインパワー」の説明図です。
現在は、ツインパワー等の上位機種には「Xプロテクト」や「Xシールド」といった防水機能が搭載されていて「コアプロテクト」は下位機種に払い下げの機能となりました。
コアプロテクト
撥水処理による水玉形成効果により、微細な隙間があっても水の浸入を抑制することに成功。回転抵抗を増やさずに防水効果をアップすることを可能にしました。さらに非接触のため摩耗することなく防水効果も長続きします。
シマノHP 21ナスキー
「21ナスキー」には「ドラグノブ防水機構」が搭載
「ドラグノブの防水機構」とは、ドラグノブにゴムのパッキンパーツを採用することで、ドラグ上部からのドラグ内部への水の侵入を防いでくれる機構です。
ドラグノブの裏側を見るとゴムパーツのあるのと無いのがありますが、それです。
「21ナスキー」には「ストッパー切り替え」が無い
3兄弟の最上位の「21ナスキー」にはまだ特徴があります。
「22サハラ」や「23セドナ」に搭載された「ストッパー切り替え」機能がありません。
あのスイッチから水が侵入しすいので、その点からも「21ナスキー」は防水性能が高いです。
※「21ナスキー」でも最小の500番モデルには「ストッパー切り替え」は搭載されています。
「21ナスキー」には「ハンドルベアリング」が搭載
おまけとして、「21ナスキー」にはハンドルノブにベアリングが搭載されていますので、巻き心地も少しアップしたものになっています。
ハンドルを巻きながら細かい変化を感じ取りたい繊細な釣り、ルアーフィッシングにはありがたい機能です。
上図左の75番パーツが「21ナスキー」のハンドル部のボールベアリングです。「22サハラ」や「23セドナ」ではこのパーツは樹脂ブッシュパーツとなります(上図右72番)。
以上、まとめると、「21ナスキー」は3兄弟の中でも防水性が高いモデルとなります。
さらに、ハンドルノブにボールベアリングが追加されて巻心地もアップしています。
「23セドナ」「22サハラ」「21ナスキー」のまとめ
最後に、3兄弟のそれぞれの立ち位置をまとめます。
23セドナ
↓
巻心地アップ
↓
22サハラ
↓
防水性能アップ+巻き心地小アップ
↓
21ナスキー
うまく機能を省略してくれているので、釣りの用途に合わせてリールを選んでみてください。
個人的な3機種の買い分け
・「23セドナ」……コスパを求める人、小中型魚・エサ釣りメインの人
・「22サハラ」……コスパを求める人、エサもルアーもする人、大物も狙いたい人
・「21ナスキー」…水がかぶる状況で釣りをする人、ルアー釣りがメインの人、大物狙いの人
ショピングサイトでは「23セドナ」と「22サハラ」は数百円差のこともあります。もしそうなら「23セドナ」より「22サハラ」がおすすめです。価格もチェックしてみてください。
レビューも参考になりますよ(3機種とも高評価です!)。
ラインローラーにボールベアリングを!
これらの3機種にはラインローラーにボールベアリングが搭載されていません。
シマノの低価格リールの場、ラインローラーだけは追加カスタムをしたほうが、ライントラブルが減るのでおすすめです。
カスタムといってもカンタンで、ドライバー1本あればできます。ラインローラー内部のプラスチックパーツを外して、ボールベアリングに置き換えるだけです。私は所有しているすべての格安リールでこのカスタムだけはやっています(さびにくいHRCB防錆ベアリングを選んでいます)。
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