ダイワから 24セルテート が発売されました。
セルテートといえば、ダイワ汎用スピニングリールでは剛性の高さが特長の準ハイエンド機種です。立ち位置は「質実剛健」で、価格帯的にもシマノのツインパワーと比較されることが多い機種です。
今回の24セルテートには、4つの「エアドライブデザイン」に加え、新たな機能が複数搭載されています。
本記事の前半ではその新機能について紹介します。
記事後半では、22イグジスト、23エアリティ等の同じダイワ製汎用小型スピニングリールの最新機種との性能比較を行うことで、24セルテートの特徴とどのような人におすすめなのかをまとめます。
24ツインパワーと24セルテートの違いは、メーカーを超えますので比較は困難です。ただ、需要はあると思うのでまた別の記事でまとめます。
19セルテートから 24セルテート への進化は「エアドライブデザイン」の搭載がメイン
24セルテートで進化した部分はおもに以下の6点です。
1)エアドライブローター、2)エアドライブベール、3)エアドライブスプール、4)エアドライブシャフト、5)ATD TYPE-L、6)ギアやピニオンに対する特殊処理です。このうち1)~4)までは「エアドライブデザイン」という設計によるものです。
新機能が満載で大変かもしれませんが、整理しながら順番に見ていきましょう。
1)軽量剛性化を実現「エアドライブローター(AIRDRIVE ROTOR)」
エアドライブローターは、剛性を維持しつつ軽量化したローターのことです。
画像出典:ダイワ イグジストHP
この球体を意識したデザインによって、軽量化しても剛性は変わらないそうです。
軽量化によってローターが低慣性になるため、巻き出しが軽くなります。「スッと巻けてピタッと止められる」というルアーフィッシング上でのメリットが出ます。
19や24セルテートにはダイワ最高峰のZAION製のローターが採用されています。ダイワHPによると、従来の19セルテートのエアローターに対して、2500番のローターユニットで約16%軽量化して最大約16%の低慣性化に成功したそうです(数値は番手によります)。
AIRDRIVE ROTOR
独自の理論により、球体からそのまま切り出したかのような新形状を導き出し、そこからさらに不要な肉を徹底的に削ぎ落すことで、剛性を維持したまま、大幅な軽量化を実現します。操作性、感度の向上に繋がる巻き出しの軽さが飛躍的に向上しました。
ダイワ HP
2)軽量化を実現「エアドライブベール(AIRDRIVE BAIL)」
エアドライブベールはベールアームの小径化によって軽量化したベールです。
画像出典:ダイワ イグジストHP
ベールが軽くなると、巻き出しが軽くなります。軽量化で気になるのは強度ですが、実釣に必要な強度は確保されているそうです。
また、ベール傾斜角をラインローラーにつれて鈍角にセッティングすることでトラブルレス性が向上しました。
画像出典:ダイワ イグジストHP
ダイワHPによると、19セルテートのエアベールに対して、2500番でベール直径3mmから2.4mmへ小径化して自重約1g(約33%)の軽量化に成功しました。
AIRDRIVE BAIL
剛性と軽量性をもたらす中空パイプ構造を採用してきたエアベールを、さらなる軽量化を実現するべく、必要強度を維持しながら小径化。ラインがベールからラインローラーヘと、よりスムーズに移行可能な最適なベール角度に傾斜セッティング。さらなる軽量性、トラブルレスを実現しました。
ダイワ 24セルテートHP
3)軽量となった「エアドライブスプール(AIRDRIVE SPOOL)」
エアドライブスプールは、薄肉設計によって軽量化されたスプールです。
画像出典:ダイワ セルテートHP
スプールの軽量化によって、巻き出しの軽さやキャスト動作などの操作性アップ、ドラグのレスポンス向上が見込めます。
ダイワHPによれば、19セルテートのスプールに対して、ドラグ引き出し時のクリック音量は同等ですが、作動抵抗の低減を実現したそうです。
要は、1)~3)までは、すべて軽量化による進化です
AIRDRIVE SPOOL
不要な肉を削ぎ落し、軽量化を突き詰めた薄肉設計。スプールスカート部の薄肉設計はもとより、スプール内部の肉抜きに至るまで徹底的に軽量化。スプールが軽量となることで、巻き出しの軽さやキャスト動作などの操作性が向上しました。さらに作動抵抗の少ないドラグ発音機構により、ドラグ作動時のレスポンス向上を実現します。
ダイワ 24セルテートHP
4)巻き心地アップ「エアドライブシャフト(AIRDRIVE SHAFT)」
エアドライブシャフトとは、シャフトまわりの円滑化システムです。低負荷時のノイズ低減、高負荷時のトルクアップを実現します。
画像出典:ダイワ セルテートHP
シャフト周りの改良は、シマノでいえば「インフィニティドライブ」に相当する機能です。
AIRDRIVE SHAFT
メインシャフトとピニオンを非接触構造とし、摩擦抵抗をゼロにするリニアシャフトを、さらにピニオンの両端をBBで支持することで、入力されたパワーを最大限回転力ヘ繋げることを可能としたシステム。さらにメインシャフトを高精度カラーで支持することにより、回転ノイズを徹底的に減らすことを可能としました。
ダイワ 24セルテートHP
5)ドラグが滑り出しが軽い「ATD TYPE-L」
「ATD TYPE-L」は「ATD」より滑り出しが軽くなったドラグです。
「ATD」でも滑り出しは軽いほうだったと思いますが、さらに進化したということですね。
「ATD TYPE-L」はフッキング時等の瞬間的な引っ張りに対するドラグ値の上昇を抑えています。そのためライトラインでの使用に適しているとのことです。
ATD TYPE-L
魚の引きに合わせスムーズに作動し、滑らかに効き続けるATD。その初動レスポンスを高めたATD TYPE-L。滑り出しと追従性を追求し、ドラグ設定を気にすることなく、ファイトに集中することが可能となりました。
※5000番は高い耐力を持つカーボンATDを採用
ダイワ 24セルテートHP
フィッシングショーOSAKAで触りましたが、滑り出しは滑らかでした。
6)ドライブギアの特殊表面処理と高強度ピニオン(大型番手)
24セルテートでは、ドライブギアに特殊表面処理を施しています。さらに、大型番手には、高強度ピニオンの採用をしています。これにより、高負荷時のギアへのダメージが軽減されています。ダイワのリールで不安視されがちな、ごろつきがでにくくなりました。
画像出典:ダイワ セルテートHP
■超々ジュラルミン製MC(マシンカット)タフデジギア「精緻な噛み合いが力を生み出す」
ドライブギアに特殊表面処理を行い、ギアの表面硬度を高めることで、不意の力が掛かることによって引き起こされる悪影響を低減。さらにギアへ高負荷が掛かることが想定される大型サイズのLT3000、LT4000-C、LT5000-C、LT5000のXHギアモデルには、ソルティガ等で実績のある高強度ピニオンを新たに採用し万全を期した。
ダイワ 24セルテートHP
前半 アップデート箇所のまとめ
24セルテートの改良箇所をまとめましょう。
まずは、1)ローター、2)ベール、3)スプールの軽量化です。ルアー釣りにうれしい巻き出しの軽さ、操作性のアップがメインの改良です。
4)シャフト、5)ドラグ、6)ギア周りの改良は、魚がかかったあとの高負荷時に役立つ改良です。全体的にバランスのよい改良だったと思います。
ラインナップは、FCLT2000~LT5000Dです。質実剛健さが特長なだけに、LT5000-Cよりもさらにパワフルな5000番ボディのLT5000Dがあるのがポイントです。
後半では、ほかのダイワ機種との比較をします。
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