「なんで自分だけ釣れないのか?」
「エサだけ取られて困る」
そんな人はいませんか?
私は泳がせ釣りを始めて間もなくの間、いつもそんな悩みがありました。
今回は、そうした悩みに答えていく形で「コツ」を列挙します。

泳がせ釣りの釣果は全てが「運」ではないですよ~
Q.なぜか隣ばかり釣れます?
A.元気なエサを魚のいる場所に届けているか確認しよう!
泳がせ・ノマセ釣りはテクニックの差がつきにくい釣りです。仕掛けや釣り方が合っていれば誰でも釣果はそれなりに出ます。ではなぜ差がつくのでしょうか。
大きくわけて、「魚の場所」と「エサ」が原因で差がつくことが多いです。
【魚の場所】タナが違う
多くの釣れない場合に当てはまる原因は、「エサが魚のいる場所にとどいていない」ことです。
そしてその中でも、エサの場所と魚の泳ぐ泳層(タナ)が合っていないことが、おそらく最も多い釣れない原因です。
「タナを合わせることは」他の釣りでは最も意識する部分だと思いますが、泳がせ釣りでも同じです。
ブリは海底付近を回遊するものです。マズメ時やナブラが出ていれば表層〜中層を狙うほうが良いときはあるのですが、それ以外なら基本的に底層を意識したタナとりを基本とします。
ブリを船から狙う場合も、基本は海底から5メートルを狙うといいます。特に河口域では塩分濃度の関係か、底攻めが効きます。
小型のワカシ(ツバス)クラスは比較的高水温を好み、ブリクラスのサイズになると16℃前後を好むことも覚えておくと良いと思います。
また、ブリ系は正面やや上に視座をもっています。そのため、回遊が予想されるタナのやや上を狙うのが良い可能性もあります。
このことがわかっていても、意外とタナがあってなくて釣れないケースもあります。特に生き餌の動きかたや潮流の影響で、狙いのタナを攻め切れていない場合があります。
エレベーター仕掛けでは、エサを沈ませたつもりでも、気づいたら水面でばちゃばちゃ暴れてた、なんてこともあります。そんなときは釣果がかなり落ちることがあります。
これは工夫次第で沈めることができます。
【魚の場所】 遠投する/カケアガリ/キワを攻める
垂直方向のタナが合っていても、差がつく場合があります。これは、仕掛けがブリの回遊ルートとなる敷石の切れ目、カケアガリ、堤防のキワ、砂利と砂の境目(ハードボトムとソフトボトムの境界)、水温の安定する沖合、潮目……に到達していないことが原因です。
こうした回遊ルートとなるポイントは流れの速い場所と緩やかな場所の「境界」であることが多く、エサが溜まりやすいため、青物が回遊すると考えられます。どの要素を重視するかはその釣り場ごとに異なりますが、岸釣りの場合「その釣り場の中で最も水深の深い場所」を把握しておくことと、「カケアガリ」の把握がキーポイントとなることが多いです。


水深の知り方
水深は、浅場であればGoogleマップの衛生画像、ざっくりとしていますがスマホアプリ「new pec smart」でも知ることができます(有料ですが1ヶ月お試し可能)。水深を知るための地図はいくつかありますが、このアプリが一番水深の情報が細かいです。また、現地では「Garmin Striker Cast」で精密に測るもよし、簡易的にも「サニー商事 ダイブ・サイン」で測ることができます。
水深も何もわからない場所では、オモリを引いてきてどこか「引っかかりのある場所」を中心に狙うのがセオリーです。カケアガリの存在を示唆しています。サーフなら、波が発生している距離のラインがカケアガリであることが多いようです。気づきにくいのは、砂利浜の沖合の砂利と砂との境界です。そこにも流れの変化があり、回遊ルートになっていることがあります。オモリを引いてきて、ハードボトムに変わった場所を狙うのです。
ですので、いつでも「遠投すれば釣れる」わけではありません。遠投が有効な場合、典型的なのは、冬季に水温が低下したときです。水温が低い堤防のキワでアタリが出ず、水温が高い沖の深場にエサを送ることでしか釣果が上がらないことがあります。
【魚の場所】ルート先行
最後は応用編です。意識しなくても釣果は変わらないことも多いですが、覚えておいたほうがいい知識となります。
ブリの場合、群れの一匹がエサに食いついたら、多くの他の魚はそれについていくようです。沖に走ったら、沖についていってしまうのです。針がかりしたブリを仲間が追いかけてくる場合は、別の人がエサを落とせば高確率で釣れますが、一度ブリをタモ入れした後は仲間はエサへの興味は薄れるようで連続で食わないということが起こります。このために1回の回遊でチャンスは1回ということが多々あるのです。それだけ釣り場での位置取りが大事になってきます。
最初の一匹を逃さないためには「回遊の方向」も意識するとよいでしょう。二本の竿を出して、同じ仕掛けを同じような角度で、同じような距離に投入したとき、右の竿にしか釣れないということが起こります。このとき、群れは右から左に入っているということが推測できます。
回遊の方向の基本は、潮下から潮上へ、太陽側から太陽の照らす方向(順光でエサが見つけやすい)です。一部の環境では、スズキのように上げ潮とともに河口部に入り、下げ潮で出ていくという場合もあるようです(私自身の環境ではあまり実感がありません)。ともかく、自分の仕掛けをより魚が来る方向に近づくよう、沖へ投げたり、潮下・日射方向を意識して投げたり、釣座もそれに合わせて変更することも有効になります。
【エサ】活きのよいエサを使う
魚の場所と同様に大事なのは、エサに関することです。
まず、「エサの活きがよくないので釣れない」というケースはよくあります。
エサはなるべく多くの海水で活かし、エアーも豊富にします。たまに普通の水くみバケツを陸上においてエサを確保している人がいますが、時間が経つとひっくり返って死んでしまうはずです。魚は泳いでいないとうまく酸素を取り込めません。アジバケツなどの大型のバケツを用意し、エアーを多く送り込めるエアポンプをつけるだけでエサの致死率が驚くほど下がるだけでなく、釣果も伸びることうけあいです。荷物は増えて嫌に思うかも知れませんが、絶対におすすめです。
水温より気温のほうが低い冬季は特に、スカリを活用するなどし、エサの元気度を最優先にします。エサは直接手で触れず、なるべく網越しにつかんで針掛けし速やかに海中に入れるようにします(イワシの場合、鱗がはげるので濡れた手で魚体をつかみます)。


エイを狙って釣る
隣の中国出身の釣り人が、瀕死のエサでエイばかり釣っていました。おせっかいにも、元気なエサで釣ったらブリが来ますよと伝えたのですが、ニコニコして釣り方を変えません。ふと見るとストリンガーにエイを活かしてキープしているではありませんか。なるほど彼らはエイ狙いの釣りだったのです。
【エサ】エサをマッチさせる
ブリはエサのシルエットに影響されやすい魚種です。イワシが強い場合、カマスが強い場合など、アジより「特効エサ」に軍配が上がる場合があります。
エサの種類が合致していても、サイズが異なると反応がイマイチになることがあります。たとえば釣りエサ屋で買ってきた大きなサイズのアジにはいまいち反応がよくないけれど、現地で調達した小さめのアジには好反応を示すことがあります。
泳がせ釣りでも、ルアー釣りの格言「マッチ・ザ・ベイト」は有効なのです(ときに、よりシビアです)。
【エサ】大き目のエサが有利なことも
ただし、小さすぎるエサだと弱りやすく食い気を誘わないことがあります。その場合は大き目のエサだと、エサが弱りにくく、また目立つため発見が早く、食いを誘うこともできます。
たとえば、低水温期では、「小さな弱ったエサ」より「大きな元気なエサ」が勝つことがあります。
エサの大きさより元気度を優先させるのが基本です。
【エサ】エサを暴れさせる
エサが暴れるとエサが目立ち、魚の食い気を誘います。
エサの投入直後にはエサの暴れが激しく、そのタイミングでよくアタリがあります。弱ったエサはすぐに交換します。エサを豊富に確保できる場合は、15分~30分を目安に1投ごとに交換します。
一度エサを投入したあとも、ただ待っているだけではもったいないです。定期的に(5分や10分ごと)少しずつ近くに仕掛けを引いたり、竿をゴンゴンと叩いてエサに刺激を与え、暴れてもらうのも有効です。このタイミングでアタリが出ることもしばしばあります。
ただし、エサが暴れるということはエサの体力を奪います。エサが少ないときにはなかなかできませんが、エサが豊富にあるときには頻繁に誘いを試してみてください。
Q.エサがすぐ弱って困ります
エサの元気度を保つことは重要です。仕掛けによって弱りやすい仕掛けがあります。
A.エサが弱りにくい仕掛けにする、エサのローテーションをする
「エサの弱りやすい仕掛け」と「エサの弱りにくい仕掛け」は以下のとおりです。
エサの弱りやすさ
ブッコミ(胴突) > ウキ > フリー => エレベーター
「胴突仕掛け」や「ウキ仕掛け」など、エサがオモリやウキを引っ張る仕掛けだとエサに負担がかかるため、エサは弱りやすいです。
ウキ釣りでもオモリやウキを軽くするなどすれば負担は軽くなります。
ただし、「投げ直し」が多いとそれだけエサは弱りやすくなります。「フリー仕掛け」はエサに針しか付けないので、最も弱りにくいように思えますが、投げ直しが多くなる場合は、「エレベーター仕掛け」より弱りやすくなります。
ですので、「投げ直さないフリー仕掛け」や「エレベーター仕掛け」が最も弱りにくい仕掛けです。ただし、あまりに投げ直さないで放置しっぱなしだとエサが死んでいたら時間の無駄ですので、定期的に回収してエサの生存確認は必須です。
針を小さくするとエサに入る傷が小さくなるのでマシですが、針掛かりは落ちますのでほどほどに。大きな針を小さな餌に使う場合、サポートフックをつけてエサに掛ける負担を小さくする方法も有効です。


エサに針を掛ける場所でも弱りにくさは変わります。針をあまり深く刺すと動脈を貫通して流血がひどくなります。また、深すぎるかけ方はフッキングミスを誘発します。しかし、浅すぎる針掛けはエサだけを取られるので、ほどほどの深さに掛けます。エサがとられにくく、フッキングの瞬間にエサが取れるくらいの深さが最適です。針によりけりなので、釣りながら調節してください。
ちなみにエサがアジの場合、針の掛けかたのおすすめは「背掛け」で、一説によるとやや後ろ寄りが元気度を保ちやすいとか。個人的にはアジの場合第一背びれ前に刺すことが多いです。
エサに余裕があれば1投ごとに交換が理想です。エサに余裕がない場合、2~3投して弱ってきたら、一度エサに掛けた針を外し活かしバケツに戻すのも手です。しばらくすると元気に復活する個体も意外と多いです(ダメになる個体もいますが)。少ないと思ったエサでも、ローテーションしていくと案外と最後までエサが持った、なんてこともあります。餌が少ないときには試してみてください。


エサが低酸素で弱る場合もあります。
夏に近づくと、閉鎖性の高い東京湾や大阪湾などでは青潮(苦潮)が発生することがあります。これは海底付近の低酸素状態が持続することを発端としています。
その場合は比較的影響の少ない表層狙いに変えるほかありませんが、基本的にブリも回ってきにくい状況ですのでお手上げです。
大阪湾の低酸素はこちらで発表されています。大阪湾貧酸素水塊分布情報
また、リアルタイムならこちら大阪湾水質自動観測データ配信
Q.エサだけ取られます
A.かかりやすくなる工夫をしますが、諦めが必要なときもあります。
うまくフッキングできないときは、いくつかの原因が考えられます。ここでは、ケース別に対処法を述べます。
(1-1)エサが付いていたのに掛からなかった:
アワセを入れたのにエサとハリが分離せず返って来た場合です。
エサにハリを深く刺しすぎていると起こります。また、エサに対して針が小さすぎる場合も、針先が対象魚に掛からない原因です。針はエサの負担になりすぎない範囲で大きめを使います。15センチ程度のアジには、伊勢尼針13号くらいがおすすめです。各社の針のサイズは伊勢尼であればほぼ同じですが、形や太さ硬さが微妙に異なります。フトコロが広く、針先が内側に向きすぎていなことが大事です。無難にがまかつ製をおすすめします。1本針ならブリのカンヌキ部分に頻繁に掛かるようであれば合格です。
ある程度針を大きくしてもまだ掛からないようであれば、針数を増やします。サポート針を利用するか、2本針仕様にするか、トレブルフックを使用します。ブリのサイズが小さい場合は2本針仕様、エサのボリュームが大きい場合は、トレブルフックなど試してください。
(1-2)エサが付いていてエサに針がフッキングしていた:
アワセを入れた後、エサとハリが分離せず、ハリの先がエサに刺さって返ってくるケースです。
この場合は原因は簡単で、針の掛け方が良くないために、エサ自体にフッキングしてしまっていると考えます。鼻掛けなら背掛けに変更する、エサの身に少し深めに掛ける、ヒネリがある針なら針先がエサの方向を向いていないか確認し、もしそうなら逆から掛けるようにしてください。また、特に鼻がけなら針に1号~2号程度のソフトビーズをつけることで針が深く刺さってエサに針が刺さることも減ります。
(2)エサだけきれいにとられる:
フッキングの前にエサだけキレイにとられてしまう場合です。
針をエサに浅く刺しすぎている場合があります。もう少し深めに針をエサに刺してください。背掛けの場合、硬く外れにくい部分を見つけて刺してください。鼻掛けの場合は硬い部分を少し斜めに刺すようにします。それでも解決しない場合は、少し太めの針を使うようにしてください。さらに用心深い人は2本の針をエサに掛けますが、たいていは1本で大丈夫なはず。ただし、あまり深く針を刺すと弱りますし、フッキング率も落ちます。太すぎる針はエサを弱めますのでほどほどに。
他には、ハリスを柔らかく細いものにして食い込みを上げるという手もあります。太めの硬いハリスだと針が掛かりやすいポジションにいきにくいのです。
また、基本的なことですがタタキつきの針の場合、ハリの内側に結び目がきているか確認してください。管付きバリの場合も同様で普通に結んで外から内に糸を抜くのが基本です。ただし、管付きバリで管に角度がついていない針の場合は、ハリスと針の角度が付きすぎてしまい、いわばネムリ針のようになってしまうためにフッキングがしにくくなる可能性もありますので注意が必要です。そんなときは管に素直に結ぶほうがいいときがあります。
(2-1)エサが吐き出されるとき:
アワセを入れる前からエサが吐き出される場合です。
大きなエサで吐き出されるケースもありますが、それ以外ではウキ仕掛け、ブッコミ系仕掛け、ブッコミ式エレベーター(逆エレベーター、半遊動エレベーター)の場合、ウキやオモリの違和感で吐き出されるケースもあります。ウキやオモリなどの抵抗となるものは、それぞれを小さめのものに変更します。普段オモリを30号でピッタリのポイントでも、潮や風の流れが弱ければ、20号程度まで落とすなど細かい調整も重要です。
また、エレベーター仕掛けではオモリが根にスタックした状態でないことを確認してアタリを待つようにします。仕掛けを引いて、軽く底にかかっている感じの状況で待つことをおすすめします。
ブッコミ式エレベーター(逆エレベーター、半遊動エレベーター)の場合、ウキ止めの位置で最初に仕掛けがストップし、魚はオモリの影響をダイレクトに受けます。そのため遊動部分を長くとることで食い込みを多少上げることも期待できます。
エサが吐き出される場合の最後の手段としてはフリーやエレベーター仕掛けの場合、アワセのタイミングを多少早くします。大きなエサでなければ、糸の出方がある程度早くなったときに飲み込んだと判断できます。
(2-2)針にかからないとき:
アワセのタイミングを遅らせます。
特に大きめのエサを使う場合や1本針など針数が少ない仕掛けの場合は、一度ベールフリーにしてエサをよく呑ませます。というのは、青物は泳ぎながら水流とともにエサを丸呑みするので、テンションのかかった状態だとエサを飲み込めずにフッキングミスを誘発します。めちゃくちゃ速く走っていれば早めにアワセてもいいですし、のそーっとした走り出しなら高速で走ってから(エサを飲んでから)アワセを入れます。タチウオのウキ釣り経験者ならこの理屈はわかるはずです。ちなみに、活餌を使ったマグロの一本釣り漁でも同じです。早アワセすぎるとフッキングミスを連発します。


小さい魚は難しい
たいていは以上で解決するはずですが、根本的にエサに対して魚が小さすぎる場合はフッキングミスをしやすかったり途中でエサを吐かれるものです。そんなにしゃかりきにならずとも、かからないものは小物が多いと思ったら諦めもつきやすい……ハズ?
Q.アタリの判別方法は?
A.ブリはアタリ後に走るかどうかでまず見分けます
アタリがブリだったのか他の魚だったかの判別も釣果を伸ばすうえで大事です。ブリが掛からないなら掛かるよう対策が必要ですが、それ以外の魚なら対策する必要性は薄いからです。
ブリの場合、アタリ後に勢いよく糸がどんどん出るのでわかりやすいです。フッキング後はゴンゴンと頭を振って抵抗します(「叩く」という表現をします)。岸近くまで寄せてきて抵抗を見せるのも特徴です。フッキングをミスしたとき、エサを吐かれたときにエサやハリスを見るとあまり傷はついていません。
一瞬だけ引くアタリが何回か出るアタリで、ハリスが長い範囲でギザギザしている場合はエソです。エソと似ていますが、一度ザーッと引くアタリだとヒラメの場合があります。ウキ釣りの場合、ヒラメだとウキが沈んだままゆっくり移動していったりします。飲み込むのに時間がかかるのですこし待ってからアワセを入れます。エサには独特の噛み跡ができます。一瞬だけ引いて糸が切れた場合タチウオかサワラ(サゴシ)です。タチウオの引きは長もの系なのでよほどの大物でない限り途中からあまり抵抗なく寄ってきます。エサは腹部に切り裂くような痕ができたり、真っ二つになったりします。サワラ・サゴシは最初のダッシュは威勢がいいですが引きはそう強いものではないです。特にサワラ系は、ワイヤーハリス以外だと運がよくないとハリスがすっぱり切られます。スズキはアタリ直後に糸は出ますが青物ほど走りません。マダイやクロダイ等のタイ系は似たような引きですが、マダイのほうが大型になり、走ることもあります。エイは初速がそこまでなく、トルクがあるけれど叩かない引きです。他にもさまざまなゲストが考えられますが、いずれも走るアタリではないので判別はし易いでしょう。魚が釣れた時にアタリ、引き、ハリスやエサの状態を確認しておくと知識がたまります。
Q.適切な糸の太さは?
A.メジロなら道糸はナイロン6号以上PE1.5号以上、ハリスはフロロカーボン5号以上で十分。ブリなら道糸ナイロン8号以上PE2.5号以上、ハリスはフロロカーボン7号以上で安心。
ナイロン糸やフロロカーボン糸なら6号で10kgの強さがあります。ただし、ナイロンは吸水で劣化しますし、使用するうちに細かいキズが付いたりするのは避けられません。また、どんな糸も結束すると弱くなります。ナイロン糸はだいたい7割の強度になると考えるとちょうどよいでしょう。ナイロン糸8号で30lb13.6kgの強さがあるとして7割の強度は約9.5kgとなります。これくらいあれば竿のしなりやドラグを利用すればメータークラスでもかなりの割合でキャッチできます。だいたい、最大ドラグ力10kg、実用ドラグ力5kgの汎用リールを使うとしたらちょうどくらいでしょう。切られるとしたら、糸を障害物に擦れたときです。それだけ避ければ6号でも十分いけますし、障害物にガッツリ擦れると8号でも厳しいものです。強く長い竿でうまく誘導して障害物から避けるようにやりとりしてください。
道糸を頻繁に交換しない人や障害物の多い釣り場で釣りをする人、メーターブリを常に狙いたい人はナイロン8号クラスが必要になりますが、当サイトでは格安の道糸を頻繁に交換することを前提に道糸はナイロン6号を推奨しています。
Q.糸の太さは釣果に影響ある?
A.太くて食わないということはないけど、間接的な影響はあるかも
細糸が釣果アップにつながる釣りもありますが、こと泳がせ釣り、飲ませ釣りに関しては、大して影響がないというのが一般的なようです。私も2本の竿を同じ仕掛けで道糸の太さだけ異なる仕様にしたり、ハリスの太さだけ異なる仕様にしたりしましたが、どちらも変わらず釣れました。私の試した範囲は5号~8号で、これくらいの太さの違いだと釣果への影響は少ないというのが私の考えです。(もっと細い番手ですと、大物に切られる可能性がありますので試していません。また、10号以上が必要になるハードな釣り場では普段釣りをしていないのです。)活餌の存在によって糸の存在はある程度薄れるということと、80センチ前後の魚に対する糸の太さは、5号だろうが8号だろうが大して変わらないからと考えています(メダカ相手には大きな差ですが)。
ただし、細い糸だと飛距離がアップしたり、エレベーター仕掛けの場合糸ヨレによるライントラブルも減ります。エサへの負担も減りますし、食い込みアップも望めますので、結果的に釣果がアップする可能性もあります。切られない範囲で細くする工夫はあってもいいと思います。
ちなみに、道糸やハリスの色もあまり影響ないという考えが一般的です。私は自分なりによく釣れたときの糸と色を使いたくなる派です。
Q.糸の結び方は?
A.強くかんたんにできる結びを
大物が掛かりますので強い結びが求められます。難しい結びは釣りの時間を短くしますので、簡単さも求められます。糸は弱いところで切れますので、「自分が安定して強度を出せる結びを選ぶ」ことが大事です。
サルカン結び
私の場合サルカン結びには「パロマーノット」をしたあとに「ハーフヒッチ」を数回加えた結びをしています。パロマーノットでなくても、だいたいリングに2回通す結びは強いです。なお、その2回はリング内で糸がクロスして重なっていけません。加えて、適当な結び方でも結束後の端糸にハーフヒッチを何回か入れたらかなり強い結びになります。両方の要素を組み合わせたパロマーノット+ハーフヒッチの組み合わせはほぼ最強の結びになるのです。パロマーノットの弱点は、一度サルカンを結んだ状態で結束ができないことと端糸が長くなることです。その場合、ダブルクリンチノットやイモムシノットをしたりします。リングに1回通す結びにしたい場合は、クリンチノットは滑ってほどけやすいため、ユニノットをおすすめします。
針結び
針の結びは、ミミ付きの針なら南方延縄結びを愛用しています。南方延縄結びはいくつかバリエーションがありますが、4回外掛け結びをした後に4回フィンガーノットをする方式です。この結びは下から引っ張られようが縛り目がズレにくいので、孫バリを付けたいときにもいいです。特にミミ付きのハリは、締め込みが甘いと滑ってハリのチモトから切れる可能性が高くなりますので、十分に締め込みをするよう注意します。
カン付き針なら大物釣りで有名な坂本結びが強く、針から出る糸の角度が軸と水平に近いのでフッキングもいいのですが、小さい針を結ぶのには少し面倒です。
直結
PEとリーダーを結ぶときは、SCノットかFGノットを愛用しています。SCのほうが簡単ですが、結び目が引っかかりやすいデメリットがありますので、そんな釣りをするときにはFGにします。
結びのキモは「メインライン側に傷を付けないこと」と、「締め込みをキッチリすること」と、「秩序立てて丁寧に結ぶ」ことです。ひまなときに何回も結んで練習すると楽しいです。
Q.エイばかりかかります
A.エサが死んでいますので、交換してください。
エイは死んだエサをよく食べます。エイは海底のエサを食べるのに都合よい口の形をしていますね。エイばかり掛かるという人がたまにいますが、そういう人はたいてい仕掛けを放置しすぎてエサが死んでいる場合が多いです。なるべくこまめにエサは交換しましょう。また、仕掛け投入時にすでにエサが弱っている場合もあります。エサの弱る原因は、小さなバケツを使ってエサを活かしたり、エアーポンプのパワーが弱かったり、素手でエサを強く握ったり……様々あります。
釣り場で知り会った中国人がやたらエイを連発するので、観察していたらアジの管理がずさんだった、ということがありました。おいしいらしく、喜んで持って帰っていました。エイ狙いの達人でした。
Q.エソばかりかかります
A.対策ありません(泣)
エイと違ってエソは生き餌に果敢にアタックしてきます。貴重なエサを消費し、ハリスをボロボロにして、針を飲み込み…泳がせ飲ませ釣り師にはやっかいな相手です。でも、これといった対策はありません。あえてやるなら表層付近を中心にねらうことですが、表層付近でもエソは掛かることもありますし、エソを釣りたくないせいでブリの狙い層を外すのも本末転倒です。ですので、エソのアタリが出たら早めに判別して回収して、ハリス・針の交換です。これしかありません。
Q.気づきにくいコツがあれば
A.糸はまっすぐに保つ /コマセの活用
意外と気づきにくいことですが、道糸・ハリスをまっすぐにすることは大事です。まっすぐにすることで、絡みをへらすことができますし、魚が恐怖心をいだきにくく食いをよくすることができます。
エレベーター仕掛けで道糸を張るためには、重めのスパイクオモリを使い、太すぎない糸を道糸に使い、流れ・風の下側へ向けて投げることが有効です。穂先が硬すぎない長い磯竿を使えば、オモリを引っ張りすぎないですみます。エレベーター仕掛けでは道糸を張ってもハリスまでは張りすぎることはないので大丈夫です。
ウキ釣りやフリー仕掛けでも、やや張り気味のほうがエサが暴れてくれるので有効なことがあります。ただし、張りすぎが逆効果になるケースもあります。ルアー釣りではおなじみですが、道糸の存在を魚に意識させないためには糸を張らないテクも覚えておいたほうがいいでしょう。ちなみに、フリー仕掛けが釣れるのは、エサ先行でブリが食いやすいことと、エサの元気度が高く、より魅力的にうつるからでしょう。
基本的なことを言えば、ハリスは最初コイル状になっていますので、よく引っ張ってまっすぐに伸ばしてから使います。これはすべての釣りの基本のキです。
フィッシュイーターは小魚の群れを発見してアタックしますから、仕掛けの一部にコマセを仕込んで小魚を寄せつつ仕掛けをその中に入れていく釣り方もよく釣れるそうです。カゴ釣り仕掛けの先にエサをつけて放り込むの以外にも、フリー仕掛けの途中にカゴをつけたり、ブッコミ仕掛けのオモリ代わりに錘付きのカゴにしたりと、工夫は様々です。一番ラクなのは、サビキ釣りを盛んにやっている周辺に(迷惑にならない距離で)仕掛けを流しておくことです。なるべく潮下がいいのは言うまでもありません。
Q.シーズン終了の判断は?
A.水温13℃を切ったら終わりにしても。アジの状況でも判断できる
水底の水温が13℃を切ると、アジを確保することが困難になってきます。アジの適水温を下回るためです。水温が低くなると、マズメではなく暗い間だけアジを確保できるようになっていきます。そんな状況では、表層~底層まで全体で水温が下がりやすい場所、特に寒波が入って冷たい水が流入して一気に水温が下がる河口部では、シーズンが終了となります。河川の影響の少ない場所では厳しいですが、中~底層はまだ温かくいけることがあります。特に風が入ってきにくい湾奥の奥では、表層は一桁でも底層の水温が15℃を超えていたりしてまだいけるということもありますので探してみてください。だいたいタチウオが最後まで釣れている場所です。
注意しなければならないのはアジは低水温に弱く、サバもそう強い方ではないので、日中最高気温が一桁になると、確保したエサが寒さのため元気がなくなることです。そんな状況でエサを付けてもまともに泳がないので釣れません。そんなときはエアポンプをするとますます水温低下を招き、逆効果です。対策としては、水温保持のためクーラーボックスや発泡スチロール箱をいけすに使ったり水中ポンプを使って海水を汲み上げて水温が下がりにくい工夫をすることが有効です。より手軽には、スカリを使って中層以下のまだ水温の高い場所で活かすなどの工夫が考えられます。当然、水温の高い中・底層に送る仕掛けにすると元気を取り戻したりします。アジよりサバのほうがまだ寒さに強いので、サバのほうが動きがよく、食いがよいという場合もあります。とはいえそこまで厳しい状況だとエサの確保も難しくなりますのでさっぱり諦めて、今年を振り返りながらもう次のシーズンインを待つのもいいと思います。もしくは、遠くの釣り場に通うことを検討してみてください。
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