ツインパワーXDの立ち位置
シマノの汎用小型スピニングリールの中での「ツインパワーXD」の立ち位置を確認しましょう。
シマノの汎用小型スピニングリールは、ローター(回転する部分)の種類によって大きく2つのシリーズに分かれます。
- 「マグナムライトシリーズ」…低慣性のローターを搭載して操作系の釣りに最適
- 「コアソリッドシリーズ」…高慣性のローターを搭載して巻きの釣りに最適
「ツインパワーXD」はマグナムライトシリーズであり、その中で「ヴァンキッシュ」に次ぐハイクラスなモデルです。

序列があるとはいえ、先に指摘したように、「25ツインパワーXD」は、「23ヴァンキッシュ」の軽量・低慣性ローターと「24ツインパワー」の高剛性ボディを継承したものです。これら3機種では、ドライブギアなど内部機構も共通のものが使われており、「3兄弟」と見たほうがよいでしょう。

24ヴァンフォード、23ストラディック、25アルテグラは中級3兄弟となる。
画像:シマノHP を改変
シマノの汎用スピニングリールには、上記の8種以外にも低価格帯があり、ナスキー、サハラ、セドナ、ネクサーブ、シエナ、FXと続きます。また、派生の釣種専用リールもあります。種類がたくさんあって実にわかりにくいですが、図のように兄弟機が複数存在しており、それを把握すればとたんにわかりやすくなります。このことについてはまた別でまとめます。
「25ツインパワーXD」と他のシマノリールを比較
「25ツインパワーXD」と近い価格でよく比較されるシマノのリールは、以下の機種です(価格順)。
- 「23ヴァンキッシュ」:マグナムライトシリーズの最上位機
- 「25ツインパワーXD」:マグナムライトシリーズの上級機(本機)
- 「24ツインパワー」:コアソリッドシリーズの上級機
3機種の違い一覧
3機種の違いを一覧にしたのが下表です。

価格は23ヴァンキッシュや25ツインパワーXDはやや高価格になり、24ツインパワーはそれと比べると低価格となります。なお、Amazonでの実売価格は4万円~5万円の間に収まっています(2025年3月)。
「New Xプロテクト」が25ツインパワーXDに初搭載されたことは紹介済みですので、それ以外の違いについて以降、ザッとみていきたいと思います。
ボールベアリングの搭載箇所
ボールベアリングの搭載によって、その搭載箇所の回転性能がアップします。
これにより「24ツインパワー」「25ツインパワーXD」「23ヴァンキッシュ」の違いが出ます。
- 24ツインパワー(計9個):
ピニオンギアの上下…2個(巻き心地アップ)
ドライブギアの左右…2個(巻き心地アップ)
ラインローラー…1個(おもにライントラブルを低減)
ハンドルノブ…2個(おもに低負荷時の巻き心地アップ)
スプールの上下…2個(ドラグの滑らかさアップ) - 25ツインパワーXD(計10個):
ローターナット…1個追加(高負荷時巻き心地アップ) - 23ヴァンキッシュ(計11個):
ウォームシャフト上…1個追加(おもに低負荷時の巻き心地アップ)
「24ツインパワー」には9個のボールベアリングが搭載されています。注目は「スプールの上下」をボールベアリングで支持する「リジッドサポートドラグ」で、これがあるとドラグのスムーズさが増します。ミドルクラスとハイクラスのスピニングリールを分ける機能の一つです。

「25ツインパワーXD」には、さらにローターナット部に1個のボールベアリングが追加されます(下図一番左)。

最も左側のBBがツインパワーXDで追加されるBB。
画像出典:シマノHP を改変
これはピニオンギアの上部のパーツに配置されるボールベアリングであり、高負荷時での巻き心地をアップさせると考えられます。
「23ヴァンキッシュ」には、さらにウォームシャフト上部の「ウォームシャフトギア」にボールベアリングが搭載されます(下図)。

「ウォームシャフトギア」は中間ギアを受けてウォームシャフトを回すギアであり、ここにボールベアリングが搭載されることでスプールの上下運動をよりスムーズにします。
最上位の「22ステラ」の場合、さらにウォームシャフトの下部にボールベアリングが追加されます。スプールの上下運動がより滑らかになります。これによってステラは合計12個のボールベアリングとなり、「ヌメヌメ」と表現されるほどシルキーな巻き心地になります。
ボディは「アルミニウムとCI4+」でローターは「CI4+」
何度か触れましたが、「25ツインパワーXD」のボディは「24ツインパワー」を継承しており、素材はプラスチックにカーボン繊維を混ぜた「CI4+」と「アルミニウム」の組み合わせです。剛性が求められるリールフット部は金属製であり大物相手に適しています。

画像はシマノHP
「25ツインパワーXD」のローターは「23ヴァンキッシュ」を継承しており、軽量・低慣性さを重視した「CI4+」が採用されています。ローターに「CI4+」を採用しているので25ツインパワーXDは「マグナムライトローター」搭載のマグナムライトシリーズになります。
ローターが軽いと、ローターが回り続ける力(慣性)が小さくなり、ハンドルを巻いたり止めたりしやすくなります。操作する釣りに向いているのです。25ツインパワーXDをはじめ上位機種には非対称形のローター(下図)が搭載されており、より低慣性でピタッと止まるローターになっています。

コアソリッドシリーズのローターと比べて36%軽量であり、28%低慣性となる。
ギア系統は共通
「25ツインパワーXD」のドライブギアやピニオンギア、ウォームシャフトのパーツの品番を調べると、「23ヴァンキッシュ」や「24ツインパワー」とほぼ同じものが使われていることがわかります(23ヴァンキッシュのピニオンギアのみ例外)。

見た目は多少違いますが、これらの3機種の駆動系はほどんど同じポテンシャルを持っている「3兄弟」なのです。
ハンドル材質
「25ツインパワーXD」のハンドルの材質は、耐久性を重視してアルミニウムとなっています。
25ツインパワーXDのボディは24ツインパワーですから、納得のセッティングです。対して、23ヴァンキッシュでは、軽量さにこだわったCI4+製のハンドルとなっています(ただし、C5000番はアルミニウム製)。
ハンドルノブは、25ツインパワーXDのみすべてラウンド型です。23ヴァンキッシュはC5000XG、24ツインパワーは4000PGとC5000XGがラウンド型となります。
スプールリングの素材とコーティング
「スプールリング」は特に傷が付きやすい箇所で、一度傷がつくと飛距離が落ちたりラインブレイクの要因となるため工夫が凝らされます。

「25ツインパワーXD」では「24ツインパワー」や「22ステラ」と同等のステンレス製のスプールリングに、SWバリアコートを施した最高峰のセッティングとなっています。
対して、「23ヴァンキッシュ」では、アルミニウム製のスプールリングに高耐久硬質コートを施した軽量さ重視のセッティングとなっています。
「25ツインパワーXD」総まとめ どんな人向きのリールか
最後に、「25ツインパワーXD」と「23ヴァンキッシュ」と「24ツインパワー」の3機種の違いをさらにシンプルにまとめました。
| 名称 | 特徴 | ボールベアリング |
|---|---|---|
| 23ヴァンキッシュ | 軽量 ・マグネシウム/CI4+ボディ ・CI4+ローター ・CI4+ハンドル ・アルミスプールリング | 11個 |
| 25ツインパワーXD | 軽量+剛性 ・アルミ/CI4+ボディ ・CI4+ローター ・アルミハンドル ・ステンレススプールリング | 10個 |
| 24ツインパワー | 剛性 ・アルミ/CI4+ボディ ・金属ローター ・アルミハンドル ・ステンレススプールリング | 9個 |
繰り返しになりますが、「25ツインパワーXD」は、「23ヴァンキッシュ」のローターと「24ツインパワー」のボディを持ちます。
そのために、高いボディ剛性を活かした大物とのバトルを想定しながら、軽量・低慣性なローターによってルアーをテクニカルに操作する釣りに向いているハイブリッドな性能を持つリールです。
たとえば、数回シャクって止めてを繰り返すようなライトショアジギング、シンキングペンシルやポッパーを操作するキャスティングゲーム、テクニカルさが求められるシーバスゲームなどに特に相性が良いリールです。
「25ツインパワーXD」よりさらに軽量さを活かしたい場合、たとえば極限まで繊細な釣りや長時間の釣行の疲労を最大限に軽減させたい場合には、さらに軽量な「23ヴァンキッシュ」が最適になります。
一方でブレードジグや鉄板系バイブレーションの高速巻き、フラットゲームでジグヘッドリグを定速巻きする場合など、巻きの釣りをメインにする場合やローターに剛性を求めるほどのパワーファイトを前提とする場合には「24ツインパワー」が有力な選択肢となります。この場合、最上位「22ステラ」も候補でしょう。
XDとは「extra durability」の略で、「過度な耐久性」を意味します。これが混乱のもと、ツインパワーXDだとツインパワーより耐久性があるように思えてしまいます。
「25ツインパワーXD」はハイクラスの3機種の中で中間的な位置づけのリールなため、「中途半端」に感じる人もいると思います。しかし、ライトショアジギングやシーバスなど海でルアー釣りをする人の多くがぴったりとくる潜在的ニーズのとても多いリールなのです。
25ツインパワーXD テクニカルな大物狙いに
24ツインパワー 剛性求める方に
23ヴァンキッシュ さらに軽量・低慣性を求める方に




















































コメント
コメント一覧 (2件)
ツインパワーxdのスプールはバリアコートですか?
バリアコートはステラとツインパワーだけでは?
コメントありがとうございます。シマノの仕様表では25ツインパワーXDのスプールリングは「ステンレス素材+SWバリアコート」となっております。22ステラや24ツインパワーと同様と思われます。