泳がせ釣りで釣果アップを目指すならエサの元気度を確保しなければなりません。
エサで扱うようなアジなどの魚は直接手で触ると弱るため、エサ付けの際は「エサすくい網」を使うのがおすすめです。
「エサをすくう網なんて、どれも同じようなもの、違いはあるの?」と思っていませんか?
実は私はそう思っていました。
しかし、実際にいくつか買って試してみると使い勝手に大きな違いがありました。
この記事では泳がせ・ノマセ釣り用の「エサすくい網」の選び方のポイントとおすすめ製品を紹介します。
エサすくい網を選ぶポイント
エサすくい網を選ぶ際に、大事なポイントを順番に紹介します。
1)エサにやさしい網の素材であること
「エサを弱らせないこと」が網を使う目的なので、魚体にやさしい素材の網が重要です。
特におすすめなのは「フェルト仕様」のもの。
フェルトは水分を含みます。
これによって魚の元気度を保つための2つの効果があります。
・人間の体温を直接魚に伝えることを避ける
・魚の体表の「粘膜」を奪うことを避ける
ただ、フェルト仕様の網は釣り針が引っかかると取るのが大変なことがあります。
ですので、どちらかと言えば1本針用の人向けです。
2本針など複数の針の仕掛けをメインに使う人は、針のつけ方を工夫するか「フェルトなし」で網目が大きめものを選ぶとよいでしょう。
2)エサ付けしやすい網の深さと柔軟性があること
網が適度な深さであり柔軟でないと、エサを針を刺しにくいです。
網の素材が硬めで浅すぎると、エサが網から飛び出しやすくなります。
ただし浅い網はエサをバケツからバケツへと移動させる場合に、網からエサがサッと出てくれるので便利です。
逆に、網の素材が柔軟であり深いとエサは網から飛び出しにくくなります。
ただし、網の深さが深すぎると片手でエサの針付けのポイントを出すのに手間取ります。
また、深すぎる網だとエサをバケツからバケツへ移動させる場合に、エサが網からすぐに出ないので面倒です。
網は深すぎず、そこそこな深さであることが大事です。
3)取っ手が頑丈であり、水に浮くこと
なるべく頑丈な取っ手の網を選ぶとよいです。
エサをすくう際に意外と大きな力がかかりますし、網の取っ手は意外と壊れやすいです。
また、取っ手が水に浮かぶ仕様になっていると、落とした時や水汲みバケツの中に沈んでしまうことがないので利便性が上がります(上記の画像では、黒い柄の製品は浮きます)。
4)水切れのしやすさ
網から適度に水が抜ける仕様の網が使いやすいです。
ただし、「水切れ」をあえて悪くすることで水ごとすくってエサの活きを少しでもしようとする製品もあります。
この点は考え方次第なので、各々の好みで選んでください。
フェルト仕様でおすすめのエサすくい網
今回は網の素材としてフェルトを採用している4種のエサすくい網を購入してみました。
15センチ前後のアジを扱う場合の使用感でランキングを作成しました。
1位 プロマリン「アジキャッチ」
1番のおすすめは、プロマリンの「アジキャッチ」。
網の素材が柔らかく、適度な深さなのでエサに針を刺しやすいですのでおすすめです。
特にアジ10~20センチなら便利に使えます。
難点を言えば、この網は軟質の針金を使用しているためか、素材がさびやすく取っ手が壊れやすいことです。他の製品より柄が短いので、深い活かしバケツでは手が濡れてしまうこともマイナスです。
筆者の使用している網は、柄が壊れるたびに補修したため短くなってしまい、新しい網を買う羽目になりました。
網の柔軟性 | ◎ やわらかい |
網の深さ | ◎適度な深さ |
水切れのしやすさ | 水切れしやすい |
柄の素材 | △壊れやすい |
水に浮く | ×浮かない |
価格的には最安の網の一つなのでその点からもおすすめできます。
ちなみに、プロマリン「アジキャッチ」はバージョンアップで、網目が大きくなりました。網の深さはほぼ同じです。網目が大きいことで針が掛かっても取りやすくなりました。
2位 第一精工「アジネット」
第一精工の「アジネット」は網が浅く、網の素材であるフェルトが硬いです。
水はけが悪い網なので水ごとエサをすくえます。バケツからバケツへのエサの移動に便利に使えます。
エサ付けについては、一番向いていません。
網の底が浅く、硬い素材のためにアジが網から飛び出る事が多いのです。
慣れれば大丈夫ですが、スムーズにエサを付けるのにはコツが必要になってきます。
柄の素材は硬質ステンレス線で頑丈です。
網の柔軟性 | △硬め |
網の深さ | △浅い |
水切れのしやすさ | 水ごとすくえる |
柄の素材 | 〇頑丈 |
水に浮く | ×浮かない |
3位 タカ産業「アジすくい網Ⅱ」
タカ産業の「アジすくい網Ⅱ」は今回紹介する網の中で最も網が深いのでアジが飛び出しにくいです。
その分、15センチそこそこのアジでは網が深すぎてエサを付けにくいです。
片手でアジの針掛けのポイントをスッと出すのに手間取ります。
「マチ」部分がやや広いのですが、フェルト部分が大きいのでフェルト経由でアジをつかむことができます。
柄は頑丈で長いので深いバケツでもエサを掬いやすく、エサの捕まえやすさは随一です。
水面に浮く仕様もいいですね。
網の柔軟性 | 〇やわらかい |
網の深さ | △かなり深い |
水切れのしやすさ | 水切れしやすい |
柄の素材 | 〇頑丈 |
水に浮く | 〇浮く |
4位 マルシン漁具「アジキャッチャーⅡ」
マルシン漁具の「アジキャッチャーⅡ」は網の深さは少し深めです。
第一精工 < プロマリン < マルシン < タカ産業と網は深くなります。
この製品は3位のタカ産業の「アジすくい網Ⅱ」と瓜二つの製品ですが、網の深さと質が異なります。
タカ産業の「アジすくい網Ⅱ」の網はフェルト以外の網の素材はやや網目が大きく、網に針が掛かっても取りやすい仕様になっています。
一方でこの製品の網のフェルト以外の部分はストッキングのような繊細な素材になっています。
一度網部分に針が引っかかったら穴が開いてしまいます。
一番の問題は、網の底面のフェルト素材がない「マチ」部分が広く、10センチそこそこのアジでは実質フェルトが意味をなしていない場合があることです。
大きなエサにはいいと思いますが15センチ程度のアジにはいまいちです。
網の柔軟性 | 〇やわらかい |
網の深さ | 〇少し深め |
水切れのしやすさ | 水切れしやすい |
柄の素材 | 〇頑丈 |
水に浮く | 〇浮く |
使いやすくカスタム
これらの深い網は、網を縫うことによって浅く調節することもできます。
実際、私はタカ産業とマルシンの製品は縫って浅くして使っています。格段につかいやすくなります。特にマルシンの製品は縫うことによってプロマリンの製品にせまる使い勝手に変貌します。
フェルト仕様以外の網は「大き目」がおすすめ
上記の4品はほとんど同じ大きさですが、フェルト仕様にこだわらない人は大き目の網がおすすめです。
大きい網だとアジを追いかけまわさなくても簡単にすくえますからね。
元気なエサほど食いがいいですから、生き餌を掬う時は、なるべく活きのいい個体を選んで針につけるほうがいいです。これが難しい。すぐにつかまえることができる個体はたいてい元気のない個体です。
大きな網だとそれもしやすくなります。
なお、マイワシ等をエサにする場合は、網越しに魚をつかむとウロコが剝げることがあるので、熟練者は濡れた手で直接つかむみたいです。
今回は15センチ程度のアジでの使い勝手でレビューしましたが、使いやすさはエサにもよります。
人それぞれですので順位はあくまでも参考にしてください。
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