シマノ「23エクスセンスXR」徹底解説!ヴァンフォードとの違いは?

リール
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23エクスセンスXR と他のシマノ製スピニングリールとの比較

シマノのシーバス専用スピニングリールのシリーズがエクスセンスです。

今回は、「23エクスセンスXR」と上位のエクスセンスシリーズ「21エクスセンス」、下位の「24エクスセンスBB」を比較します。さらに、23エクスセンスXRと同じくらいの価格帯の汎用スピニングリールでよく比較される「20ヴァンフォード」と「23ストラディック」もあわせて合計5機種を比較します。

機能比較(材質以外)

まずは、材質以外のリールの「機能」を比較します。

23エクスセンスXRの新旧性能比較表

メーカー価格

メーカー価格からわかるように、エクスセンスシリーズの最上位は「エクスセンス」です。入門モデルが「エクスセンスBB」で、中級機種が「エクスセンスXR」というわけです。定価ベースで2万円ずつくらいの差があります。

インフィニティクロス、インフィニティドライブ、アンチツイストフィン、デュラクロス

シマノの基軸リールの「23ストラディック」には、インフィニティクロス、インフィニティドライブ、アンチツイストフィン、デュラクロスの4つの機能が搭載されています。

これらの機能をざっくりいえば以下の通りです。

  • インフィニティクロス:耐久性がアップしたギアデザイン
  • インフィニティドライブ:高負荷でも滑らかに巻けるシャフト構造
  • アンチツイストフィン:ライントラブルを低減するフィン構造
  • デュラクロス:なめらかかつ高耐久のドラグワッシャー

これらの機能は価格的に上位の「21エクスセンス」にも搭載されていません。23ストラディックが優遇されていることがわかると思います。

詳細は23ストラディックの記事をご覧ください。

ボールベアリング

機種ごとに、ボールベアリング(BB)の搭載数が少しずつ違います。

これが各機種の差別化に役立っています。

ベアリングの搭載箇所は、以下のようにステップアップします。

ボールベアリングの搭載箇所
  • 24エクスセンスBB:メインギアの左右、ピニオンギアの上下、ラインローラーの合計5個
  • 23ストラディック:ハンドルノブに1個追加で合計6個
  • 20ヴァンフォード:ハンドルノブに1個追加で合計7個
  • 23エクスセンスXRスプール内部に2個追加で合計9個
  • 21エクスセンス:ローターナット部に1個、ウォームシャフトギア部に1個追加で合計11個

基本的にボールベアリングは多ければ性能アップが望めます。ボールベアリングでないパーツがボールベアリングに置き換わっていき、その追加順もほぼ一律です(セフィアSS等を除く)。

どこにベアリングが搭載されているかがポイントです。

24エクスセンスBBには5個ボールベアリングが搭載されています。これらは中級クラスのリールにはあってほしい基本の箇所です。

内訳は以下の通りです。

  • 「メインギアの左右」:低価格リールにも必須級の搭載箇所です。
  • 「ピニオンギアの上下」:シマノでは「Xシップ」と呼ばれる構造の一部で、高負荷の巻きの滑らかさに直結します。
  • 「ラインローラー」:おもにライントラブルを低減させます。

23ストラディックでは、「ハンドルノブ」に1個、20ヴァンフォードにはさらに1個ボールベアリングが追加されます。これらは、主に低負荷時に巻きのなめらかさがアップします。ルアーフィッシングで水中の情報が少しでも欲しい釣りにはあってほしいアップデートです。

たいして、23エクスセンスXR以上には、スプール内部に2個のボールベアリングを追加した「リジッドサポートドラグ」が搭載されています。これによりドラグがよりなめらかに出るようになります。これは汎用スピニングリールではツインパワー以上の機種に搭載される機能です。

リジッドサポートドラグ

最上位の21エクスセンスにはローターナット部に1個、ウォームシャフトギア部に1個のボールベアリングが搭載されます。これらは巻き心地のアップに貢献しています。11個のボールベアリングは23ヴァンキッシュと同等です。

なお、21エクスセンスにはラインローラーに特殊な防水BBが使用されていて、特に壊れやすいラインローラーのボールベアリングをケアしています。

ラピッドファイアドラグ

エクスセンスシリーズに搭載されているラピッドファイアドラグ

シマノの「シーバス専用リール」に搭載される特別なドラグが「ラピッドファイアドラグ」です。エクスセンスシリーズの全機種に搭載されています。これはダイワの「クイックドラグ」のようなものでドラグを急に緩めたり締めたりしやすくなっています。

ラピッドファイアドラグ

ドラグノブの回転数に対するドラグ力の変化が大きく、ストラクチャー周りで魚を止めたいとき、足元で急に突っ込まれたときなど、瞬時にドラグ調整をしたいシチュエーションで非常に有効な機能です。

シマノHP

マグナムライトローター

マグナムライトローター

シマノの汎用スピニングリールには、従来の剛性重視のコアソリッドシリーズと、軽量・低慣性がウリのMGLシリーズ(クイックレスポンスシリーズ)があります。マグナムライトローターはMGLシリーズクイックレスポンスシリーズ)に搭載される低慣性ローターです。これは、左右非対称の形状によって、すぐに止まる=低慣性を目的ととしています。ルアーを繊細に操作する釣りでは、この巻き出しが軽く、ピタッと止まる低慣性なローターが活躍します。

マグナムライトローター

回転慣性を低減化しローター剛性を強化
左右非対称のローター構造を採用し、操作性と感度の向上を求めて、異次元の回転の軽さを実現したマグナムライトローター。さらにラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行い回転慣性の低減に成功した。

シマノHP

材質の比較

最後に、リールのパーツに使われる材質を見てみましょう。

材質の差よって強度・剛性・軽量さが変わります。

23エクスセンスXRの材質比較表
23ストラディックの各部名称
リールの各部名称。ボディはリールフット~ギアを覆う部分まで。
ローターはボディの上に載るハンドルを回して回転する部分。
ベール(ベールアーム)は糸を誘導する針金状の部分。
スプールリングはスプールエッジを構成するパーツ。

画像出典:シマノHPから画像改変

リールに使用される素材の重さに対する強度(比強度)や重さに対する変形のしにくさ(比剛性)は、おおよそ下記の通りだと考えられます。
(参考:比強度の一覧表、参考:マグネシウムの基礎知識「マグネシウム合金」という素材

チタン > マグネシウム > アルミニウム > ステンレス > CI4+ > 高強度樹脂

※素材には様々な種類があり、特に金属の合金は特性がまちまちです。リールの価格からの推測も入れています。

ボディ材質

リールの剛性で最も大事なのはボディの材質です。23エクスセンスXRは18エクスセンスCI4+の後継バージョンですので、ボディもCI4+を特徴としています。樹脂素材ですので一般的に金属製より剛性は落ちますが、シーバスフィッシングでは必要十分な強度ではないでしょうか。

ローター材質

ローターの材質がヤワだと、大物を掛けたときにラインローラを支える部分がたわんで巻き取りに影響がでます。

23エクスセンスXRはCI4+のローターとなっています。最上位の21エクスセンスもCI4+ですので、シーバスフィッシングでは十分な強度とメーカーは判断しているようです。なお、さらに頑丈な金属製のローターが欲しい場合は汎用機のツインパワーかステラを選択することになります。

よだん
よだん

シーバスも大物となると引きは強くなりますが、普段の使用ではCI4+が最適解なのかもしれません。

ベール材質

23エクスセンスXRにはチタン製のベールが採用されています。チタンは強度に優れた素材でシマノのリールでも最上位のベールとなります。

スプールリング材質

スプールリングも傷が付きやすいので工夫が凝らされる箇所です。23エクスセンスXRには、アルミスプールにスプールリングはアルマイトになっています。こちらは下位から中級クラスのリールに用いられるセッティングです。

スプールリング
画像出典:シマノカスタマーセンター

23エクスセンスXR 総まとめ

このように、23エクスセンスXRは、CI4+による軽量化、リジッドサポートドラグによるドラグの滑らかさ、ハンドルノブに2ボールベアリング搭載&マグナムライトローターで水中の情報を逃さないといったシーバスフィッシングの上級者にも満足できるセットアップをしています

エクスセンスシリーズ内で、「釣る」という能力においては、最上位のエクスセンスに迫る性能と考えてよいでしょう

20ヴァンフォードとの違い

23エクスセンスXRと派生元の20ヴァンフォードの違いを見てみましょう。

  • 23エクスセンスXR = 20ヴァンフォード+「ラピッドファイアドラグ」「リジッドサポートドラグ」

23エクスセンスXRを買うことの意義は、「ラピッドファイアドラグ」や「リジッドサポートドラグ」を使いたいということです(あと黒いリールが好きな人)これらが不要な人は20ヴァンフォードを選ぶのもいいでしょう。

汎用機コアソリッドシリーズでは最新機能を試せる

気を付けたいのは、インフィニティクロス、インフィニティドライブ、アンチツイストフィン、デュラクロスといった汎用スピニングリールの最新機能が1つも搭載されていない点です。

「ラピッドファイアドラグ」や「マグナムライトローター」が不要な人は価格的に高い24ツインパワーを選ぶのもありだと思います。また、リジッドサポートドラグ」が不要な人は23ストラディックを選ぶ選択も悪くないと思います。

エクスセンスシリーズの関係図

最後に、「ラピッドファイアドラグ」搭載のシーバス専用機エクスセンスシリーズの関係性をまとめます。

24エクスセンスBB

ローター剛性UP+ドラグ性能UP+低慣性ローター

23エクスセンスXR

ボディ剛性UP+巻き心地UP+防水ラインローラーBB+高耐久スプールリング

21エクスセンス

目的や予算に応じて検討してみてください。

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シマノ23ストラディックの記事はこちら

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